東レ 繊維事業本部/一貫型事業の組み立て担う/グローバルSCM事業部門新設

2014年04月02日 (水曜日)

 東レは1日に発表した機構改革で「グローバルSCM事業部門」を新設することを発表した。今期からスタートした中期経営課題「プロジェクトAP―G2016」で重点課題に掲げる、素材から縫製の一貫型事業の拡大に向けた商流作りと組み立て機能を担う。部門長は石井一氏が就く。

 グローバルSCM事業部門は、ユニクロ向けを担当する「GO事業部」(GO推進室を改称)と「縫製品推進室」(縫製品事業開拓室を改称)の2つの組織で構成。縫製品事業を同部門に集約する。従来組織の人員を引き継いでスタートする。

 AP―G2016では同社が保有する原糸・原綿の機能が生きる縫製までの一貫型事業拡大を課題の一つとする。同部門の新設は、機能インナーなどでの取り組みを、ほかのアパレルや非衣料分野でも広げる狙いがある。

 このビジネスモデルを拡大するなかで、田中英造副社長は「サプライチェーンがグローバルに広がり、非常に長くなる」と指摘する。そのため、グローバルなSCM(サプライチェーンマネジメント)を効率的に管理するシステムの構築と組織整備についても、同部門が機能を担う。「具体的な計画を持って取り組む」という。

 加えて、要員・人材の確保と育成にも注力する。事業拡大のなかで今後は、人員増員も視野に入れるほか「長大なグローバルSCMを組み立てるのは飽くまでも人材。AP―G2016で“とくに難しい課題”として、その育成に注力する」。原糸・テキスタイル・縫製それぞれに関する知見を各人員が高めることに加え、国内外のグループ、関係会社を含め、戦略的ローテーションを強化していく。

 また、重点分野での事業拡大として、AP―G2016に新たに盛り込んだライフイノベーション事業についても、従来の「繊維グリーンイノベーション(GR)室」を「繊維グリーンイノベーション・ライフイノベーション推進室」に改め、取り組みを強める。室長は佐々木康次氏が担当する。