スクールユニフォーム特集/未来担う子供達を支えるスクールユニフォーム
2014年05月30日 (金曜日)
スクールユニフォームは、時代とともに変わりつつある。着心地の良さや家庭洗濯ができるなどの機能性の向上、地域での安全や安心に一役担う存在といった新たな役割の創出など、進化し続けている。少子化で市場は縮小傾向にあるものの、学生服アパレルや素材メーカーは、新たな商品や素材を開発しながら、市場の活性化に力を入れる。
モデルチェンジは190校/依然として都市部が活発
ニッケの調査によると、14春入学商戦での学生服モデルチェンジ(MC)校数は、最終的に前年より12校減り、190校となった。
MC校の内訳を見ると、高校が国公立78校、私立41校の計119校(前年127校)、中学が国公立51校、私立20校の計71校(同75校)だった。MC校とは別に、新設の私立中学校2校と小中一貫校4校、統廃合に伴う新設小学校4校が新たに制服を採用した。
都道府県では東京都が最も多く中学校14、高校9校の計23校(同31校)、大阪が中学14校、高校8校の計22校(同19校)となり、大都市部でのMCが目立った。
地域別に見ると、首都圏が最も多く中高合わせて53校(同59校)で、近畿が48校(同36校)、北海道・東北が26校(同38校)、九州が21校(同19校)、東海が20校(同13校)、信越・山梨が11校(同15校)、中国が9校(同17校)、四国が2校(同5校)だった。
昨年の入学商戦よりもMC校の数は減ったものの、「私立を中心に生徒数を多く抱える学校が多かった」(学生服アパレル関係者)ことで、業界全体としては、消費増税の駆け込み需要もあり、まずまずの結果を出した企業が多く見られた。
来入学商戦ではMCを予定している中学、高校は5月の時点で132校あり、最終的には200校前後となる見通し。今春から国公立高の授業料無償化制度に所得制限が設定されたことで、公立校、私立校の生徒獲得競争が今後、ますます激しくなってくる可能性がある。
大手アパレル軒並み堅調/駆け込み需要に追われる
学生服アパレルにとって3月は、多くの学校が入学式を実施する前月にあって、1年のなかで最も売り上げが大きい月となる。今年は4月に消費増税を控えていたことで、駆け込み需要が発生、例年よりも対応に追われた。
3月の売上高だけを見ると、菅公学生服(岡山市)が前年同月比30%増、明石被服興業(岡山県倉敷市)が25%増、トンボ(岡山市)と瀧本(大阪府東大阪市)が約10%増と、例年より増加した。また、2月は関東を中心に2週間連続の大雪だったことで、私学を中心に採寸の日程にずれが発生。そのことも含め、各社は物流面で苦労した。
増税の影響は冬服でなく夏服の受注に現れたようだ。最近はクールビズによる軽装化が学校にも普及したことで6月1日の衣替えを実質廃止するケースが増え、夏服のオーダーが前倒しになる傾向にある。今春は増税を見越して夏・冬服同時のオーダーが増えたことに在校生の買い足しも加わって対応に追われた。
MC校の獲得そのものについては少子化で生徒が減る傾向にありながらも、大手各社は健闘した。菅公学生服は前年に比べ約20%増えた。ここ数年、子供達の夢を支援する「カンコードリームプロジェクト」など「地道な取り組みがいい形で表れてきた」(問田真司取締役)ことにより、都市部だけでなく地方においてもMC獲得が順調に進んだ。
明石被服興業も、都市部で生徒数の多い大規模校のMCを獲得したほか、地方でも獲得校が増加。さらにMC校のなかには同社の製品を継続して採用するケースも多く「ロスが少なかった」(柴田快三取締役)。昨年、倉敷和蔵アソートセンターを稼働し、物流機能を強化していたことも奏功した。
例年並みのMC校の獲得となったトンボは、「首都圏をはじめ、都市部での獲得が目立った」(安田和弘取締役)。懸念されていた消費増税後の落ち込みも「それほど影響が出ていない」という。
瀧本も前年並みで推移し、関東圏や西日本などエリア別でも横ばいだった。各支店に物流拠点があり、その拠点ごとに早期備蓄品を持っていたことで、増税では大きな混乱もなく、納期を間に合わすことができた。
市場が縮小傾向にありながらも学生服アパレル大手各社が堅調な背景には、各地域の地元でこれまで学生服や女子服を生産、納品してきた販売代理店での生産機能の低下がある。縫製工場では高齢化によって廃業が相次いでいるとともに、販売代理店でも後継者の問題で事業を止めるケースが増えてきた。各社は自社工場や物流機能を強化しつつあり、市場の寡占化がより進む可能性がある。




