東レ合繊クラスター首脳会見/開発・展開速度上げる

2014年06月10日 (火曜日)

 東レ合繊クラスターは6日、福井市内で第10回定時総会を開き、中山賢一会長(小松精練会長)の相談役就任と新会長に宮本徹副会長(丸井織物社長)の昇格を決めるとともに、グローバル活動の強化を骨子とする2014年度の活動方針を承認した。クラスターによる製造品出荷額は13年度で86億円(衣料用75%・非衣料25%、国内向け80%・輸出20%)だった。今期は100億円を目指す。クラスター首脳の会見要旨は次の通り。(一部既報)

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――今年度の活動計画のポイントは。

 宮本会長 次の3点を重視する。第1はグローバル活動の強化。中国・アジア、欧米市場の開拓のため、その一環として今年9月に「ミラノ・ウニカ」に初出展する。今のところ会員企業9社が出展を予定している。第2には連携の多様化。出口戦略として製販連携の垂直方向、産地企業間の水平連携、この双方に取り組む。第3は用途展開の進化と深化。衣料用途に限らず産業資材分野を掘り下げ、今年度は全体で100億円の出荷額を目指す。

――発足以来10年間、会長を務められた。やり残したことは。

 中山相談役 (1)チームによる新商品開発(2)会員企業間の技術交流(3)出口戦略――という3つのステップを設けて10年間取り組んできた。発足した04年は円高・コスト高で国際競争力が低下し、産地企業はこれからどう生きていくかが大きなテーマだった。原糸から高次加工まで一貫した取り組みを志向したバーチャルカンパニー=クラスターの活動は決して間違いではなかった。ただ、もっとスピードを上げて進めるべきだったかと思う。この点は宮本新会長の下でスピード豊かに実行していただけるだろう。

――東レとしての考え方は。

 佐々木久衛東レ・サブリーダー(東レ取締役生産本部担当) 東レ素材ありき、といったやり方を変えなければならないと思う。「こういう糸を作ってほしい」と言われてから東レが用意しても産地側の開発スピードが速く、糸が間に合わないというまどろっこしい場面もあった。商品開発では東レが力を入れているグリーンイノベーション、ライフイノベーション分野が有望だとみている。