ITMAアジア+CITME2014/差別化志向に応える/日系出展企業

2014年06月19日 (木曜日)

 【上海支局】国際繊維機械見本市「ITMAアジア+CITME2014」が5日間の会期のうち、3日目までを終えた。日系出展企業は中国繊維企業の差別化志向の高まりに応える機器やパーツを紹介する。会期は明日20日まで。

<TMTマシナリー/工場での実稼動をディスプレーで訴求>

 TMTマシナリーは独自技術を取り入れた延伸仮撚機とテークアップワインダーを大型ディスプレーで紹介した。同社は村田機械との共同ブースによる出展。相乗効果で多くの来場者がブースを訪れている。

 延伸仮撚機の「ATF―1500」は最新鋭の高速自動機。1台384錘という多錘化による高い生産性と高速化・自動化を実現している。ディスプレーでは実際に工場で稼動するシーンをビデオで流し、その性能を分かりやすくアピールした。

 また、POYの高速テークアップワインダー「ORCAシリーズ」は多エンド化とボビンホルダー長のロング化を実現した機種。こちらも工場での実稼動シーンをディスプレーで紹介。多くの来場者が足を止めて見入った。

<日阪製作所/中国製染色機をトータル訴求>

 日阪製作所は、中国子会社の日阪〈常熟〉機械科技で製造した液流染色機TMT「Circular CUT―CF―1LL」をはじめ、付属設備の高排水洗システム、pHコントロールシステムなどをアピールする。

 「Circular CUT―CF―1LL」は日本で製造する「CUT―MR」の中国製造版。汎用性、高生産性、高品質など、その性能は日本製と同等だ。レベルの高い要求をこなす染色工場に向け、拡販していく。

 染色機単体だけではなく、ユーザーのニーズに合わせ、高排水洗システムやpHコントロールシステムなどの付属設備もセットし、トータルソリューションで訴求している。

<双日マシナリー/化繊ノズルと共同で>

 双日マシナリーは化繊ノズル製作所と共同でブースを構えた。特殊繊維や高付加価値糸の生産に対応したノズルを提案している。

 来場者は盛況で、ブースの商談スペースがすべて埋まってしまうほどだった。2日目途中の段階ですでに3件の成約もあり、双日マシナリーの岡本幸雄氏は「15年前から市場を開拓してきた」とその成果を受けて自信を示す。

<日本ノズル/ノズル自動検査装置に大きな反響>

 日本ノズルは新開発のノズル自動検査装置「RED SCAN」を披露、注目されている。同装置はノズルメーカーならではの視点を取り入れ、ユーザーにとって利便性の高い装置に仕上げている。

 ノズルの検査装置はすでに検査機メーカーから市販されているものもあるが、対象ノズルの情報を打ち込んだり、セッティングの方向が決まっていたりと、簡単ではなく、検査に時間もかかる。これに対し「RED SCAN」はセッティングの方向を定める必要もなく、検査トレイに置くだけ。後は自動でノズルホールをスキャンする。600ホールのものでも、およそ2分で検査が完了するなど、検査時間も短く、結果も分かりやすくモニターに表示する。出品はプロトタイプではあるが、反響は大きく、具体的な商談が進んでいる。

<北越電研/織機用コントローラー>

 北越電研は、エアジェット(AJ)織機やウオータージェット織機用のコントローラーを提案している。同社のコントローラーを採用した織機メーカーも10社近く展示会に参加しているという。

 高機能AJ織機用コントローラー「A―500」は、緯糸8色自由交換、可変密度製織、可変速製織に対応する。「A―230」はその価格対応商品で、今回展で初めて紹介する。A―230は緯糸2色自由交換に限定するなど必要な機能を絞り込むことで、約30%価格を抑えた。丸山浩利経営統括本部繊維機械営業技術担当マネージャーは「来場者の関心も高い」と語る。