東邦テキスタイル/新素材、新用途を提案/帝人フロンティアと連携
2014年06月23日 (月曜日)
東邦テキスタイルは、帝人フロンティア(TFR)が19日まで開いた総合展に出展し、新素材を披露するとともに、既存素材を衣料用途に提案した。TFRを中心とした帝人の製品事業グループとの連携を強化するなか、同総合展に初めてブースを構え、素材背景をアピールした。グループ間での情報共有とともに、新規顧客の獲得につなげる。新素材では「ビスアート」「アクアメイト」、新用途展開として「レイコット」を紹介した。
レイコットは、高強度・高伸度レーヨン素材で、綿ライクな感性を持ちつつ、しなやかで柔らかい風合いを洗濯後も維持する。レーヨンならではの吸水性、保湿性も発揮する。
レイコットは1959年に投入して以来、合成皮革の内張り用途で非常に安定した実績を重ねてきた。15春夏から衣料用で新たな展開を図る。TFRのポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」と複合したインナー素材を提案した。
ビスアートは0・5デシテックスのマイクロファイバーレーヨンで、ドレープ性と超極細繊維ならではの優しい肌触りで上質感を打ち出す。15春夏は100%素材のほか、「スーピマ」綿との複合でハリ感を持たせたファッション向け素材を展開し、今後は他素材との複合も開発する考えだ。総合展でも多くの来場者から好評だった。
アクアメイトは節状の中空構造レーヨンと親水性を持たせた改質レーヨンを組み合わせることで、吸水性と保水性を高めた。制電性のほか、肌離れ効果も発揮する。綿との組み合わせは、ファッション、インナー、寝装関連などへの展開を目指す。
また、芯に四つ山扁平断面ポリエステル「ウェーブロン」を置き、MVS(旋回空気流を利用する紡績)方式でシャリ感や抗ピル性を付与する素材も開発している。カジュアルスポーツ向けに提案する。