ひと/伊藤忠ファッションシステムの社長に就いた石井和則氏/“顧客伴走型”で強みを生かす

2014年06月30日 (月曜日)

 伊藤忠商事繊維カンパニーの執行役員ブランドマーケティング第二部門長から4月、伊藤忠ファッションシステム(ifs)の社長に就任した。

 伊藤忠に入社後は、一貫して繊維資材分野でタイヤコードの輸出に携わってきた。「タイヤは戦略資材で、どこの国にもタイヤコードのビジネスがある」ということで6年間の米国ニューヨーク駐在も経験した。

 ブランドビジネスとの“出会い”は業務部時代。繊維カンパニーで大型ブランドの買収案件が進んでいたことが勉強になったという。当時、あるプロジェクトの室長を兼務していた、現在の伊藤忠・岡藤正広社長にも多くのことを教わった。

 ifsはブランドマーケティング第二部門管轄のため、部門長時代からifsの役員に名を連ね、業績や事業内容のことは知っていた。しかし、実際に就任してみて、改めて組織として培ってきたブランドビジネスのノウハウやマーケティング分析の手法、その両方を駆使して解決案を提案できることなど、同社の強みを再認識した。

 「個々の社員もいろいろなスキルを持っている人が多い。そういったスキルやノウハウを一つのベクトルの下に合わせて、お客さまと一緒に汗をかく、“顧客伴走型”の提案やサポートを進めていきたい」と抱負を語る。

 今後は、親会社である伊藤忠やグループ内の事業会社との連携を深め、グループ内、繊維業界内外で独自の強みを持つ存在感を高めていく。

 学生時代は野球、サッカーを経験したが、現在の趣味はゴルフとお茶(茶道)。繊維カンパニーで部門長になってからは少し遠ざかっているが、茶道はニューヨーク駐在中や事業会社に出向しているときも続けていたという。石井社長は「無心になれるところがいい」とその“効用”を説明する。ifsの社長に就任したことを機に、再び茶の湯の世界に親しもうと思っている。(幸)