連載・テクテキスタイル訪問記(上)

2001年05月08日 (火曜日)

 世界最大の産業用繊維国際見本市「テクテキスタイル2001」が、4月24~26日までの3日間、ドイツ・フランクフルト国際見本市会場で開かれた。

 会場の5、6号館大半を使用した総展示面積は2万平方メートル強に上り、出展数は前回(99年開催)の36カ国・地域・711社を大きく上回り、43カ国・地域から795社。初日の24日は午前9時の開場とともに、多くの関係者が訪れるなど活況を呈した。

 26日までの3日間で来場者は前回の1万3000人を上回ったものとみられ、世界的に産業用繊維に対する注目が高まっていることを感じさせたが、出展社を取材しながら違和感も感じた。

 「商品を展示しないブースがこれほどある見本市は初めて」。通訳をお願いした女性がおもわずつぶやいた。同会場は年数十回の国際見本市が開催され、この女性は各種見本市に通訳として訪れているが、驚くのも無理はない。机といす、そしてパネルだけのブースが、欧米大手企業に散見されたからだ。

 彼らは何を目的に出展しているのか、話を聞いてみた。恐らく最大級のブースとみられるアコーディスグループは「テクテキスタイルには毎回、出展しており、顧客とのミーティングと新しいパートナー開拓が目的」(B・リュース報道担当)と言うが、製品展示は全くない。ブース内はビデオ放映のみで、軽食を用意するキッチンを設け、テーブル、いすのみの構成。ただし、最も賑わいをみせるブースのひとつだった。

 大手不織布メーカーで昨年、帝人にモノフィラメント事業を売却したジョンズ・マンビル社も大ブースを構えたが、ミニチュアで製品と原反を置くほかはアコーディスと同様のブース構成。

 世界最大のオレフィン系熱融着繊維メーカーで、チッソとの合弁会社であるESファイバービジョンズは「合弁企業として二回目の出展だが、既存ユーザーとのフォローと新規ユーザーの開拓が狙い」(C・ぺーターゼン部長)ながら、小ぶりのブースには机といす、そしてパネルのみ。

 帝人グループのテイジントワロンも隣接する帝人ブースで日本から来た担当者がミーティングに追われる中、談笑する姿が散見された。

 なぜ、彼らのブース構成がこうしたものなのか。直接聞いても分からなかったが、ある日本企業の担当者によれば「彼らは欧州ユーザーとミーティングする必要はない。テクテキスタイルへの出展は来場したユーザーに対するアピールだけ」と聞いて納得できた。が、少し釈然としない気持ちが残る。