連載・テクテキスタイル訪問記(中)

2001年05月09日 (水曜日)

 会場ではユーザーに対するアピールにとどめる大手企業が多い中で、積極的に新製品を展示したのは世界最大の不織布メーカー、独フロイデンベルグ。「来場者が知らない技術を提供する」と報道担当のB・エルムナー氏が胸を張るように、今回の出展では次世代不織布「エボロン」による製品を数点出品し注目を集めるとともに技術力の高さをアピールした。

 「将来、織・編み物を含め世界のテキスタイルの5%を占めるだろう」とエルムナー氏が自信を示す「エボロン」は、ナイロン、ポリエステルから成る複合スパンボンドを、スパンレース製法で分割し極細繊維化するとともに、繊維を交絡して不織布化したもの。日本ではトヨタの高級車「レクサス」に、子会社の日本バイリーンを通じて採用されているという。

 フランス工場に導入済みのコマーシャルプラントのキャパシティは「トップシークレット」として明らかにしなかったが、製品は昨年五月の「ANEX2000」(アジア不織布産業総合展示会・会議)で、日本バイリーンブースで発表されたものに比べ相当レベルアップしていた。

 同展ではスポーツウエア、アウトドアウエア、カジュアルウエア、靴資材、家具資材、自動車資材などを様々な製品を出品し「エボロン」の可能性を示した。

 同じく、次世代不織布「ミラテック」を出品したのはPGIノンウーブンズ。コンピューターでデザインしたものを、レーザーとウォータージェットを組み合わせて不織布化するAPEX技術によって生産される「ミラテック」の最大の特徴は「エボロン」とは異なり「様々な素材が使用可能」(マーケティング&販売担当部長のF・ヒジェンガ氏)なこと。ポリエステル、コットン、ナイロン、レーヨン、パラ系アラミド繊維「ケブラー」、メタ系アラミド繊維「ノーメックス」(ともにデュポン製)などを使用し、目付50~400グラムまで生産可能と言う。

 同展では綿60%・ポリエステル40%の「ミラテック」でデニム製品を出品していたほか、ポリエステル100%使いによる1ウエーのストレッチ性(50%)を持つ「ミラストレッチ」も紹介した。

 「エボロン」と「ミラテック」そして、今回テクテキスタイルに未出展のデュポンの「アイノバ」を含めた次世代型不織布がテキスタイルの領域を浸蝕していく可能性は高い。