レンフロ・ジャパン/素材で伊藤忠と連携/日本市場開拓で生かす
2014年09月03日 (水曜日)
米国のレッグウエア製造・卸大手のレンフロは日本市場の開拓に本格的に乗り出す。現状、全世界で約600億円規模の売上高を将来的に1000億円まで拡大する方針の下、海外市場の拡大がカギを握るが、なかでも米国に次ぐ市場規模を誇る日本市場の取り込みが必須の課題となる。日本市場を担当するレンフロ・ジャパン(東京都品川区)は、量販店チェーンやセレクトショップ販路へプレゼンテーションを始めている。高橋良太取締役支社長は「伊藤忠商事との連携を生かした高付加価値素材の活用が重要」と強調する。
伊藤忠商事と伊藤忠インターナショナルは7月、レンフロを傘下に持つRCホールディング(米デラウエア州)の株式を25%取得し、伊藤忠の持分法適用会社とした。レンフロ・ジャパンは本国での、この提携を生かし、今後の市場開拓で、伊藤忠の持つ豊富な原料背景を活用する。日本独自での企画、提案を重視し、すでに接触冷感素材「アイスコットン」、ペルー産希少超長綿「ペルヴィアンピマ」を15春夏展開に向けて提案しているという。
受発注システムを整備し、効率的な生産・供給体制を実現している米国向けに比べ、日本市場は「色・柄・デザインが多様な多品種小ロット生産が主流で、細かいニーズ対応が必要」(高橋社長)なため、伊藤忠の原料部署と連携した差別化素材の活用を市場開拓の強みにしたいとの考えだ。デザイナーも2人抱え、企画機能も整える。
また、上質綿の産地でレンフロの自社工場もあるインドでの一貫体制も、日印間の経済連携協定による関税メリットとともにアピールする。「伊藤忠との提携で物流面の仕組みを強化しながら、いかに計画生産による取り組みを実現できるかがポイント」になる。
さらに高橋社長は、素材以外の要素でも高付加価値化を進める。セレクトショップ販路には「メードイン・USA製品」を付加価値要素にするほか、ブランドビジネスの積極化も視野に入れる。本国がグローバルライセンス権を持つ「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」の日本での販売を始めたほか、ライセンス生産ではバロックジャパン「スライ」ブランドのレッグウエアでライセンス生産の契約を締結。伊藤忠ともアウトドアブランド「ロゴス」のサブライセンス契約を結んだ。エヌ・エフシーともニューバランス靴下で販売代理店契約も結んでいる。