乱記流

2001年05月15日 (火曜日)

 「名刺は数が少なく『貴重』なので、差し上げられない」。独・フランクフルトのテクテキスタイルに出展したある企業のA氏の言葉に一瞬、面食らった。声をかけて名刺を渡したが、いっこうに交換する気配がないため、「名刺を頂けませんか」と尋ねたところ、返ってきたのが前述の言葉だ。プレスに渡す名刺には価値がないということだろうが、価値のあるなしにかかわらず名刺を差し出せば返すのが常識。A氏にとってプレスと名刺交換するのは常識ではないらしい。

 テクテキスタイルでは世界各国のブースを取材したが、名刺交換はもちろんプレスと告げるだけで分厚い資料を手渡され、細かい質問にも懇切丁寧に答えてくれた。分からなければ他の担当者を呼ぶこともあっただけに、A氏の対応はあまりに違い過ぎた。果たして、A氏の対応はプレスだけなのか。用途が幅広いだけに様々な人々がテクテキスタイルには来場したはず。仮に自分の知らない業界の人と会う際、名刺交換する価値があるかどうかをA氏はどこで判断するのか。

 たかが名刺交換ではあるが、その人間の対応が所属する企業を表す鏡にもなるだけにA氏が海外駐在する日本人であったことは残念。