繊維ニュース

環境特集/様々な環境の評価試験を行う検査機関

2014年12月09日 (火曜日)

 環境には地球環境から、住環境、衣服内環境まで様々な環境がある。それぞれの環境に対する安全性、あるいは快適性についての評価試験が開発されてきた。4検査機関の環境関連の評価試験を紹介する。

カケン/微小粒子捕集効率試験も

 カケンテストセンター(カケン)は様々な環境関連の性能評価試験を行う。花粉粒子の捕集ろ過効率試験、BFE(細菌ろ過効率)試験など、マスクに使用されるフィルター材料の捕集ろ過性能(バリア性)の試験受託を行ってきた。最近ではこれらよりさらに微小な大きさのバリア性評価の要望が増加したため、PFE(微小粒子捕集効率)試験装置を開発し、導入している。

 住環境では、ミラーレースカーテンの性能評価試験を提案する。レースカーテンは採光機能が不可欠。その一方で、プライバシー保護や防犯を理由に、見えにくさ(防視認性)への要望も強い。この試験は人工太陽照明灯を用いて、簡易モデルで防視認性、採光性、ミラー性能の評価を行うものだ。

 吸音性・遮音性試験も住まいの環境騒音対策として必要である。カケンは大がかりな専用施設を使用することなく、材料レベルで吸音性・遮音性の試験が可能になる装置を導入した。音響管と呼ばれる金属の筒に試料を取り付けて、空気伝搬音の吸音性について評価する。

 快適な環境作りでは繊維製品の抗菌性試験、かび抵抗性試験もある。また、消臭性能や光触媒機能の評価試験もあり、寝装関連ではダニに対する忌避効果や増殖抑制効果に対する評価試験も。身近な製品の機能の信頼性を試験で支える。

QTEC/アゾ分析試験の登録申請

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は特定芳香族アミンの分析試験場として第1号の登録申請を行った。これは日本工業規格(JIS)が繊維製品に係る特定芳香族アミンの定量方法を制定したことに伴い、ナイト(製品評価技術基盤機構)がJISに基づく特定芳香族アミンの定量ができる試験場の整備のため、6月に試験事業者登録制度の申請受け付けを開始したことを受けたもの。早ければ12月中にも登録される見込みだ。

 2012年に日本繊維産業連盟が芳香族アミンに対する自主基準を策定、対象となるアゾ染料は使用禁止に向けて法制化も進んでいる。すでに欧州や中国など海外輸出では仕入先の要請で検査機関の分析証明書が必要である。また、QTEC上海は10月に、中国紡織工業聯合会からホワイトリスト管理システムの指定検査機関として認定を受けている。

 一方、福井試験センターでは温湿度調整の可能な環境シミュレーターを設置し、様々な環境下で機能性評価試験を実施する。また、日射に対するカーテンの断熱(遮熱)性試験では、専用の試験室を設けて、試験片ではなく実際のカーテンを使った測定も行っている。

 こうした環境作りに加え、繊維製品の抗ウイルス性試験ではISO化事業にも参画して研究開発を担い、試験結果からのアドバイス支援も進める。

ボーケン/異業界との取り組み強化

 ボーケン品質評価機構(ボーケン)は持続可能な社会を目指して、異業界との業務協力を交えながら試験項目と対象分野の拡大に取り組む。

 ボーケンは機能性試験センターを東京、大阪、上海に設置し、吸湿発熱、蓄熱保温、帯電防止など繊維特性や加工特性を生かして快適に過ごすための機能性製品を評価する。

 また、抗ウイルス性試験のISO18184の発行に伴い、抗ウイルス性試験を開始した。さらに異業界との取り組みを強化。ウエットワイパーや洗剤・石けんの除菌(対象物から増殖可能な細菌を有効数減少させること)試験も開始した。ウエットワイパーの日本衛生材料工業連合会、台所用や住宅用洗剤の洗剤・石けん公正取引協議会から除菌試験の認定を受け、幅広いニーズに対応する。

 加えて電気安全環境研究所(JET)とも、各種試験について業務協力を始めた。「電気毛布や電気カーペットは折り畳んでも電気が流れるか、耐久試験が必要となる。エアコンでもフィルターの抗菌効果などの評価が求められる。繊維の検査機関として電気業界に試験協力することで、様々なシナジー効果を生むことができる」という狙いがある。衣住関連の電気製品の品質管理を支援していく。

 環境配慮型製品評価として有害物質にも対応する。3月に繊維系として初めて食品衛生法の認定検査機関となった。

ニッセンケン/今年も「エコプロ」出展

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)は昨年に引き続き、11日から東京ビッグサイトで開催される「エコプロダクツ2014」に出展(ブース:東6ホール6―008)する。今回はブース全体をエコテックス公式キャラクター“エコダックス”くんのかわいい犬小屋をイメージして設営。エコテックス認証品ギャラリーとエコダックスくんの秘密の部屋として蓄光素材を採り上げ、生活の安心・安全に貢献する検査機関をアピールする。

 ニッセンケンは日本で唯一のエコテックス認証機関として「エコテックス規格100」の認証活動を推進する。現在、エコテックス規格100の認証製品数は370件。「日本では約6割の認証が最も厳しい基準の製品分類1(ベビー用品などが対象)での認証。それだけ安全に対する意識が高い」とも言える。ギャラリーでは39社60点の認証品を紹介するほか、有害物質(重金属)の分析試験も実体験できる。

 また、立石ラボで行う蓄光輝度測定も紹介する。今年9月にJIS Z9097(津波避難誘導標識システム)が制定された。緊急時、夜間でも蓄光材を用いて避難場所への経路を知らせるものだ。日没から朝まで720分の残光性能が必要となる。ブース奥には光の入らない密室を設け、蓄光機能を有するエコバッグ、帽子、リュック、生地、テープなどを置いて紹介する。