スクールユニフォーム特集/ブランド合戦、新ステージへ
2014年12月12日 (金曜日)
スクールスポーツ市場の15入学商戦は、消費増税の反動が懸念されたものの、前期よりも新規採用校を伸ばしている企業が多い。14商戦からギャレックス(福井県越前市)の「ニューバランス」、15商戦からはユニチカメイト(大阪市中央区)の「プーマ」といった新たなスポーツブランドが参入し、市場でのシェア争いが再び過熱してきた。
<市場縮小も各社健闘>
15入学商戦は、今年に比べて新入生が少なくなる見通しで、採用校が増えても、生徒数だけを見れば減っている状況にある。ただ、各地域で体操服を納入している企業が後継者の問題や資金繰りなどで事業から撤退するケースが増えているとみられ、各社の商戦は悪くない。とくにスポーツブランドは新たな市場を開拓していくうえで、有効なツールとなっているようだ。
ギャレックスは、「ニューバランス」「フィラ」とも順調に増え、累計採用校はそれぞれ200校、900校に達する勢い。いずれもカラーに特徴を持った展開が好評となっている。
明石被服興業(岡山県倉敷市)は「デサント」の新規採用が14年入学商戦に引き続き約100校になる見通しで、累計採用校は1200校近くになり、菅公学生服(岡山市)の「リーボック」の採用校にほぼ並びつつある。
トンボ(岡山市)も「ヨネックス」の新規採用校が約100校と例年並みに推移し、累計で600校になる見通し。また、昨年秋冬に展開を始めた小学生向けに知名度があるアキレスのシューズブランド「瞬足」の体操服では、今年度からジャージ関連商品などもそろえ、小学校市場へも攻勢をかける。
ユニチカメイト(大阪市中央区)は、プーマが目標とする60校に届かない可能性もあるが、今年見送りでも来年に向けて継続審議になるところも多く、期待が膨らむ。瀧本(大阪府東大阪市)は、「ロット」の採用校が累計で100校となり、最終的に300校を目標に今後も市場を広げる。
スクールスポーツ市場で一番大きいシェアを持つ菅公学生服は、自社ブランド「カンコー」で「カンコー×ファイテン」などダブルネーム戦略も進め、15入学商戦も新規獲得校が目標に近い数値で推移する。子供たちを応援する「カンコードリーム」プロジェクトや、岡山南高校服飾デザイン科との「産学連携実学体験プロジェクト」など、学校支援の取り組みが徐々に新規開拓につながっている。
児島(倉敷市)は、2年前から、“選びやすさ”に重点を置いた商品展開が定着しつつあり、来入学商戦では新規採用校が増加。体操服はスポーツウエアと求められている機能が違うことから、安心・安全などスクールウエアならでは商品開発を強める。
菅公学生服 第一営業本部長・若松 伸雄/学校支援で新たな活路/目標に近い新規校を確保 氏
――2015年入学商戦はいかがでしたか。
新規獲得校が目標に近い数値で推移しており、都市部を中心に健闘しています。3月は消費増税前の駆け込み需要があっただけに、4月以降その反動も出ており、ふたを開けて見ないと分からない部分もありますが、前期並みの増収は確保しそうです。
昨年には関東でスクールスポーツの専任担当者を置きました。首都圏は人口が多く、市場が大きいだけに、それなりの成果が出ています。
――各ブランドの採用はいかがですか。
自社ブランドの「カンコー」が、立体裁断の「4Dカッティング」といった“機能の追求”でブランド力を強化しています。アクアチタン製品で有名なファイテンとのコラボレート製品「カンコー×ファイテン」の採用も増えてきました。また、スポーツブランドの「リーボック」「アディダス」についても順調に採用校を伸ばしています。
――学校支援を強めています。
これまでの子供たちの夢を応援する「ドリームプロジェクト」だけでなく、昨年から東京と大阪で開いている総合展をソリューションフェアとして、他社と連携した取り組みを始めています。制服の供給だけでなく、教育現場での課題解決を支援するプロジェクト「カンコーマナビプロジェクト」などによって、より学校との関係を深めています。
また、新学習指導要領に基づき、必修化された「ダンス授業」に合わせ、ダンス教材DVDの作成やダンスコンテストの開催など、学校でのダンス授業を支援してきました。
――岡山南高校とは「産学連携実学体験プロジェクト」の一環として、生徒たちが体操服の企画やデザイン、試作を体験しました。
こういった取り組みがすぐにビジネスに結び付くというものではありません。ただ、新たな学校とのつながりを広げていくことができます。地道な取り組みになりますが、これらをどのような完成形へと持っていくかを追求していく必要があります。
――今年のソリューションフェアでは「未来の体育着に求められるもの」をテーマに新商品を打ち出していました。
無機エレクトロルミネッセンスの技術を利用したパイピングでは無機化合物の蛍光体に電圧を加えると発光する現象を応用したもので、デザイン性と安全性を確保したウエアとなっており、ダンス用の衣装などですでに使われています。
体操着は単なるスポーツウエアと違い、安心、安全面を配慮しながらベネフィット(顧客が商品から得られる価値)も提案していきたいと思っています。
トンボ スポーツ事業本部 副本部長・佐伯 均 氏/全方位でシェア拡大へ/新規校は前期より増加
――15春入学商戦に向け、新規校の獲得はいかがですか。
10月末段階で見ると、新規校の獲得は前期より増加で推移しています。ただ、15入学商戦は生徒数が少なくなるとの予想通りで、学校そのものの数は前年より多いのですが、1校当たりの生徒数は少ないです。一部の学校は年明けまで獲得に向けたワークが続きますが、全体で300校の新規獲得を目指しています。
――「ヨネックス」ブランドはいかがですか。
例年並みの100校強ぐらいは獲得できる見込みです。累計での採用校は600校になります。
――スポーツブランドの相次ぐ参入があり、シェア争いが熱を帯びますが、依然として100校の採用校を維持している理由は?
ベンチレーション(温度調節)機能や着用感、動作性、デザイン性などこだわった作り方が評価されていることだと思います。
――自社ブランドの「トンボビクトリー」についてはどうですか。
売上高の比率ではヨネックスが4割、自社ブランドが6割で推移しています。学校の先生にとってブランドの認知度は決して高いとは言えないので、今後はもっと強化したいと考えています。
――小学校市場も強化していました。
昨年秋冬に展開を始めた、小学生向けに知名度があるアキレスのシューズブランド「瞬足」の体操服は、今年度からジャージ関連商品などもそろえ、市場へ攻勢をかけています。小学校では低学年を中心に相当人気があり、保護者での知名度が高いブランドなので、新しいアイテムを次々に投入していきます。
また、幼稚園向けでは「マイパレット」を打ち出しています。一気に広がるような市場ではありませんが、地道に開拓していかなければいけません。学校の統廃合や小中一貫校、中高一貫校が増えてくるなか、全方位をターゲットにして、市場でのシェアを拡大していきます。
――生産体制についてはいかがですか。
一昨年、美咲工場(岡山県美咲町)にカッティングセンターを設けたことで、協力工場へもスムーズに裁断した生地を供給でき、安定した生産量を確保しています。どうしても入学シーズンになってくると、生産が集中してきます。本当に必要な時期に必要な量を供給できる“瞬発力”を出せる体制になっており、しっかりと新規獲得校をフォローしていきます。
明石被服興業 スクールスポーツ部長・宮崎 将人 氏/「デサント」1200校へ/市場開拓の手緩めず
――15春入学商戦に向けての商況はいかがでしたか。
前期は大都市圏を中心に生徒数の多い大規模校の獲得が目立ちました。今期は獲得校そのものの数は前期並みで推移しそうですが、生徒数は少なくなりそうです。ただ、サンプルの供給は前期により増えており、決して悪い状況ではありません。
――「デサント」ブランドは前期、新規採用校が約100校ありました。
今期も引き続き高校を中心に100校ほど採用校があり、累計では1200校近くになりそうです。
――今期も例年並みに伸ばしている背景には何があるのでしょうか。
提案力に加え、他社との差別化がしっかりできていることがあり、そのことを顧客にしっかり理解してもらっていることがあります。
展示会では総合展だけでなく、全国各地でスポーツウエアのみの展示会も開いています。スポーツトレーナーなどを招いた講演会や身体バランス測定機による体験などによって、ウエア開発のコンセプトに対する理解度の向上や話題性の広がりから、新規市場の開拓につながっている部分もあります。
――新たなスポーツブランドの参入で市場でのシェア争いが激しくなってきました。
価格面での競争に巻き込まれないようにしていかなくてはいけません。守りの地区、攻めの地区ができつつありますが、まだまだデサントは伸ばす余地があると思っています。
――自社ブランドの「ヨットスポーツ」はいかがですか。
前期と同じペースで新規採用校の獲得が推移しており、小中学校での採用が中心です。空気触媒加工「TioTio(ティオティオ)」企画が好評で、来シーズン向けに新たに打ち出した吸湿・放湿、吸水・速乾、UVケアなどの機能を持った「モイステックス・クリーン」など、機能面をより充実させることで、採用校の拡大につなげていきます。
――来期に向けた新たな取り組みなどはありますか。
小学校の提案が増えてきたことから商品の見直しを図っていきます。小中一貫校など学校の統廃合によって“提案の場”が増えてきており、販売が好調なティオティオをリニューアルするなど提案力を強めていきます。
また、デサントでは太陽光を効率よく吸収し熱に変える「ヒートナビ」や、高耐久消臭の「デオダッシュ」など、機能性を高めていくとともに、これまでデサントで採用していなかった新素材を提案することで、引き続き採用校を伸ばしていきたいと考えています。
児島 取締役商品企画本部長・山本 真大 氏/原点に帰り機能を追求/100%自社製造の価値高める
――今期(12月)のスクールスポーツ事業の見通しはいかがですか。
消費増税前の駆け込み需要がありましたが、その後の追加発注が思うほどなく、売り上げが伸び悩みました。通期の売上高では前年比をやや下回りそうです。ただ、15入学商戦では、新規採用校の獲得が増えており、期待感があります。
――2年前から“選びやすさ”に重点を置いた商品構成で、新たなニーズに応えてきました。
「タフ」「アスリート」「コンフォート」「ベーシック」「エコロジー」の5つに分類し、本当に必要な機能を選んでもらうことで付加価値を高める戦略へ転換し、定着しつつあるように思います。
なかでもタフシリーズは、防融やスナッグへの耐性がある素材を使った商品の販売が好調です。簡単な機材を用意し、学校で保護者が機能を実感してもらう取り組みを進めてきたことで、機能に納得してもらう形での採用が増えてきています。
やはり、体操服は一般のアスリートが着用するようなスポーツウエアとは違って、求められている機能が違うと思います。動きやすさ、着心地を追求していくことも大切ですが、安心・安全といった“スクールウエア”ならでは商品開発を強める必要性も感じています。
そういった意味でも来期に向けてはもう一度原点に帰って、どういうものが本当に求められている機能かをしっかり追求していきたいですね。
――6~7月に本社で開いた展示会では身体の骨格に合わせたパターン「骨格裁断」を採用したウエアなど、独自性のある新商品が目立ちました。
安心、安全面での配慮という点では再帰反射材で輝度がこれまでの素材に比べ2倍になる「R―400」を採用したウエアなどを紹介し、多くの学校関係者に興味を持ってもらいました。
新たに開発したジャージにウインドブレーカーの生地という異素材の組み合わせによるウエアは、最近多いゲリラ豪雨のような極端な天候を想定し、雨風に対して強化しています。
――別注対応が6割を占め、他社に比べて高い比率です。
国内生産はすべて自社工場であり、海外生産も100%出資会社が運営しており、細かい対応ができることも強みになっています。「100%自社製造」として、生徒が着用するものはすべて自社で作っていることをもっと押し出していくことで、新たな市場の開拓へもつなげていきたいと思っています。
瀧本 企画開発部部長・寺前 弘敏 氏/売上高10億円目指す/「瞬間消臭」の研究進む
――15年春入学商戦の商況はいかがですか。
売上高は前期比微増になる見通しです。14年6月期決算のスクールスポーツウエアの売上高は約8億円でした。早期に10億円の達成を目指しています。
ただ専任の営業担当を増員しても、売り上げは思うように上がっていないのが現状です。大きな案件でも細かな別注でしか取れていないのが原因です。
新規の獲得校は100校程度を見込みます。そのうちライセンスブランド「ロット」が6割、自社ブランド「スクールタイガー」が4割の比率です。
スポーツ専業メーカーのようにカタログを使って素材、デザイン、色を提案しています。15年、16年商戦は高校のみならず中学校向けにも力を入れ、新規獲得校を増やす方針です。
今商戦のロットは20~30校増で累計100校になる見込みです。少しずつですが着実に増えており最終的には300校にまで引き上げたいと考えています。ロットもタイガーでも価格帯を複数用意して提案しているため相互の入れ替わりは活発です。
体育科の先生がブランドを重視する傾向もありますので、ほとんど同じ価格帯であれば、値段が少々上がってもロットを選ばれる学校は多いです。
――生産体制での変化はいかがでしょうか。
ロットの定番品向けのインドネシアの工場は現在、止めています。急進する円安のリスクを考えたためです。
国内では3年間をかけて納期を正確に守り、短納期の別注対応でもさらに精度の高い納品ができる体制を整えてきました。製品と同じく、納期を守ることが顧客の信頼を得るために重要だと考えています。
――各ブランド商品の取り組みについてお聞かせください。
ロットブランドで、デザイン性を高めました。素材にはポリエステル捲縮加工糸を使い、吸汗速乾性に優れた「アクエアーD2T」、接触冷感性やUVカット、透け防止効果が高い「ドライアイスII」も採用しました。タイガーは機能性を重視し、防透や吸汗速乾の機能を高めました。
――新しい素材の研究を進めているそうですね。
現在、学生服で採用している業界初の瞬間消臭機能「モフクリア」をどのように体操服で取り入れるかを研究しています。16年春商戦にも商品として投入する予定です。「瞬間」とは10分以内にほぼ100%消臭できるという自社基準です。
消臭機能がついた糸も開発しており、縫製用の糸として使うことで、今後はあらゆる商品において消臭機能を広げていきたいと考えています。
ギャレックス 取締役スクール営業部長・梅田 雅治 氏/“らしさ”追求で伸長/「ニューバランス」200校に
――15春入学商戦はいかがでしたか。
提携ブランドでは、2年目を迎えた「ニューバランス」が順調に増え、200校に達しました。同ブランドはシューズが好調で、トヨタとのコラボCMなどがブランド知名度を上げ、当社商品へも追い風的な効果をもたらしました。2年目ということで商品も増やし、カラフルな色合いに加え、素材とパターンによる機能性の追求を打ち出したことが奏功したと分析しています。初年度は4シリーズでしたが、15シーズンは8シリーズに倍増させました。
――02年に導入された「フィラ」はいかがでしょうか。
おかげさまで採用校は約900校を数えます。フィラといえば“トリコロールカラー”が特徴ですが、学校向けではやや地味な色合いが増え、フィラらしさが徐々に薄まっていました。改めてトリコロールカラーを意識し、鮮やかなカラーを打ち出したことが好調の背景と考えています。
――生産コストが上昇し、収益的には厳しいとの指摘があります。
生産コストがすべての項目で上昇していると言っても過言ではありません。ところがなかなか値上げができない環境にあります。市場競争が激しく、また廉価版を用意しないと学校現場では採用されにくい現実があります。素材で機能性など差別化し、価格は据え置き……。我慢比べと言っていいくらいです。
――生産面でのコスト削減の現状はいかがでしょうか。
当社は中国・青島にテキスタイル製造拠点と縫製工場、遼寧省・遼陽に縫製工場と、中国に3社抱えて対応しています。いずれも人件費をはじめ生産コストが上昇しています。アセアン地域など東南アジアについては2年前から生産を検討していますが、今のところ輸入は皆無です。商社さんなどからお誘いいただき、将来的にはアセアン生産も課題になります。
――ところで、福井県のスポーツ大会に協賛されているとか……。
県内の中学生陸上大会と小学生を対象としたミニバスケットボールで「ギャレックス杯」という冠大会に協賛しています。13年から始めたのですが、台風で大会が中止になり、今年14年が実質初の大会となりました。18年に福井県で国体が予定され、それに向けて県内ジュニアの育成が盛んです。当社もそれに参画しようと冠大会への協賛を決めたものです。こうした振興事業を通じて、若い世代がスポーツを楽しむ層を増やし、彼らの成長のお役に立てればと考えています。
ユニチカメイト 社長・稲葉 昌久 氏/来年100校獲得目標に/予想売上高5%増23億円
――15春入学商戦はいかがでしたか。
15年3月期は「プーマ」ブランドの体操服が売上高をけん引するため前期比5%増の23億円の売上高を目標としています。内訳はスクールスポーツウエアが18億円、ユニフォーム用シャツなどが5億円と見込んでいます。中学校、高校が主な顧客ですが、今年6月から私立と公立を合わせて500校以上を対象に営業活動を行っています。年内いっぱい、来年、再来年に向けて動きます。
――15春商戦での獲得校数はいかがですか。
当初、プーマでは新規60校の採用を目指しましたが、発売初年度ということもあり、目標達成には届きません。しかし、2年目100校、3年目150校を目指します。過去の経験則では、新しいブランド商品は2年目以降に結果が出てくる傾向があるので可能だと考えます。
プーマは認知度が非常に高いブランドです。商品の質とコンセプトに厳格な基準を定めていますので、来年は今以上に学校側からの支持を得られるものと期待しています。
――学生服業界と同様に値上げが必要との意見も多く聞かれます。
15春商戦での全商品一律値上げは考えていません。ただ、原料をはじめ生産コストが上昇しているなかで、会社がすべてを負担し続けることには限界があると感じています。商品によっては、30年以上も前から変わらない素材で供給し続けているため、採算が本当に合わない商品が多く出てきています。
販売先別、品番別でポイントを絞ったうえで、顧客の理解を得て個別に値上げをさせてもらうことは検討しています。
――プーマブランドの体操服の特徴は。
価格帯の高いものからトップ、ミドル、ベーシックの3つのクラスがあり、すべてユニチカトレーディングの生地を使っています。
トップのジャージにはストレッチ素材「ゼットテン」、半袖シャツには異型断面糸使いの吸汗速乾・防透素材「ルミエース」、ミドル、ベーシックには吸汗速乾素材「スパッシー」を使っています。色は濃紺、緑、赤、青の4色を中心とした展開です。
――これからのブランドの展開と生産体制についてどのようにお考えでしょうか。
再来年以降、プーマブランドでのスクール向けアイテム追加や、中・高校に加えて小学校、幼稚園向けへの販路拡大などを検討しています。当社の生産比率は国内で75%、海外で25%程度ですが、今後、ユニチカトレーディングとの連携のなかで、海外の比率を徐々に高めていきたいと考えています。
アシックスジャパン マーケティング統括部 アパレル・EQ・プロダクトマーケティング部 岡田 耕治 氏/シューズ好調で微増収に/アパレルの苦戦補う
――15春入学商戦はいかがでしたか。
今商戦のスクールスポーツウエアの売上高は前期比微増収となる見通しです。2014年3月期の売上高は前期比2%増収の43億円でした。とくにシューズ部門で消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が目立ちました。
商品の販売先は高校、中学校が9割です。小学校はわずかで、幼稚園向けは今年から撤退しました。
商況は「攻める」より「守る」ほうが厳しいという印象で、アパレルの苦戦をシューズの好調が補いました。ただ、当社は現在、3月から12月に決算期を変更する移行期に当たり、14年12月期決算では15年1~3月という最も売上高が上がる時期の数字が反映されないため、見かけ上は売り上げが落ちます。
――シューズ好調の要因をどのように分析しますか。
日本人の足に合わせた金型や独自の設計基準といった他社にまねできない製造段階のノウハウがあります。一般商品でも世界的に売り上げが伸びており、シューズメーカーとして信頼を寄せていただいていると感じます。
――今商戦での新しい商品についてお聞かせください。
長袖、長ズボンのトレーニングウエア上下と半袖のTシャツ、ハーフパンツの4点セットが1シリーズで、「デルタ」「アクティブマジック」「パワロン」の3つの新素材でシリーズ展開しています。
「デルタ」は軽量性と耐久性を兼ね備えたニット素材でソフトな着心地でストレッチ性もあります。私学の中高生向けに展開する「Sライン」シリーズで採用しています。副資材にもこだわっているほか、リサイクルポリエステル「エコペット」を25%混ぜ、環境にも配慮した商品です。
「アクティブマジック」は油、泥汚れにも強い防汚素材で、墨汁の汚れも多少は落ちます。ストレッチ性に富み、抗菌防臭機能も付加しています。小中高校向けの「Cライン」シリーズで使用しています。
「パワロン」はクラレトレーディングの供給する摩擦熱に強い防融素材で一般高校向けの「Aラインシリーズ」で採用しています。
「デルタ」と「パワロン」シリーズのTシャツ向けでは帝人フロンティアの吸汗速乾、軽量素材「アクアセンサー」を採用しています。ポリエステル100%ながら透け防止の高さが特徴です。これまでは綿を混ぜることで透け防止効果を出していましたが、綿相場が高くなっていることと、速乾機能でもポリ100%が主流になってきていることを受けて採用しました。
ミズノ グローバルアパレルプロダクト本部 スクール・法人生産課課長 田上 光芳 氏/海外製造拠点を再編/中学でシェア拡大が課題
――15春入学商戦はいかがでしたか。
スクールウエア部門の売上高は30億円ほどです。今年の売上高は、前年比微増で推移しています。2013年3月までは消費税率引き上げに伴う駆け込み需要がかなりありました。
当社の販売先は9割が高校で、商圏は全国に広がりますが都市部での売り上げが多い傾向があります。中学でのシェア拡大が今後の課題です。16年入学商戦では中学校への販売を伸ばすための取り組みに力を入れます。現在、需要に応える商品ラインアップを作っています。
――今商戦での商品の特徴についてお聞かせ下さい。
15年向けでTシャツ、ポロシャツの新商品に試験的に消臭機能を持たせたところ、それが大変好評だったので16年の新製品のラインアップすべてに消臭機能を持たせます。
――機能面はいかがですか。
独自の機能性素材に「ドライサイエンス」があります。Tシャツ、ポロシャツに使われています。
吸汗、速乾機能に加え汗でべとついても生地が肌にまとわりつきにくい「肌離れ」のしやすさを自社で数値化して機能としています。100%合繊素材使いで、素材における合繊の割合は増加傾向です。
抗菌防臭、透け防止、摩擦熱でも融けない防融といった機能は定番になっています。
――生産体制で変化はありますか。
当社は7割を海外で、3割を国内で生産しています。国内で撚糸、編み、染色した生地を、海外で縫製しています。現在、海外の生産拠点を再編しており、海外で生地から縫製まで一貫して行える体制の構築を目指しています。
中国からアセアン地域への生産シフトを進めます。昨年は初めてインドネシアでの一貫生産を始めました。
今年は11月に、タイにある他の競技用アパレル工場を学校体育衣料生産にも活用する取り組みを試験的にスタートしました。ベトナムでも一貫生産ができないか検討しています。
――円安の影響はいかがですか。
国内の商売ですので重い負担になっています。国内で作っていた生地を海外生産する、古い品番で廃版になったものの素材を、安くて新しいものに集約することによりコスト削減を進めています。
――ブランド商品でも価格競争が始まっています。
品質やブランド価値を下げてまで価格競争に入っていこうとは考えていません。あくまでミズノブランドを付けるに値する品質を維持しつつ、最大限価格メリットを出すことが大事です。




