特集・産業資材と繊維機械/繊維機械 メーカー・商社/最適ソリューション提供

2014年12月19日 (金曜日)

 繊維企業が産業資材分野に参入する場合、重要な役割を担うのが繊維機械メーカー・商社だ。ユーザー企業の新たな可能性を切り開くための最適ソリューションを提案している。

ストーブリ/「ションヘル」で市場開拓

 ストーブリは、ダブルレピア織機「ションヘルα」シリーズで産業資材用製織の市場開拓を進める。従来の「α400」、「α500」に加えて、産業資材用にバージョンアップした「α500テック」も用意した。

 ションヘルαシリーズは、カーペットや人工芝の製織で実績のある機種だ。

 ダブルレピア方式によりサンドイットクロスなどの製織が可能。これを生かし、産業資材分野への提案を進めている。

 このほど筬幅5メートルのα500に産業資材製織に特化したバージョンとしてα500テックもラインアップに加えた。ダブルレピアによって三次元織物などを含む多層織物の製織が可能だ。こうした特性を生かし、建材、農業資材などの分野への導入を目指している。すでに米国では導入実績もある。また、筬幅180センチ機も開発しており、超広幅から細幅まで対応が可能だ。

 日本市場でのPRも強化。2015年はドイツで「テクテキスタイル」、イタリアで「ITMA」といった国際展示会が相次ぐ。

 これに合わせて、日本の関係者をドイツの工場に招いてのイベント開催も検討するなど、日本での実績作りに重点を置く。

 一方、ストーブリの完全独立駆動型電子ジャカード「ユニバル100」も産業資材分野で可能性を秘める機械だ。独立駆動による電子開口はメカニカルな限界から解放された挙動を可能にし、従来の機械では製織不可能だった織物を実現する。すでに国内の公設試験場が1台導入している。これを活用した用途開拓にも注目される。

伊藤忠システック/糸コーティング機を本格提案

 伊藤忠システックは、2010年から独ワインダーメーカー、ザームのヤーンコーティング機「コーティングライン」を輸入販売している。シングルエンドのコーティング機のため多品種・小ロット加工が可能であり、開発・試験機として活用可能だ。

 コーティングラインは、押出装置によって糸1本ごとに熱可塑性樹脂をコーティング加工できる。加工速度は毎分1000~1500メートル。熱可塑性樹脂なら基本的にあらゆる樹脂を使用できる。糸のテンション制御も可能なほか、巻き取り部分には糸検査装置も取り付けることができるため、品質確認しながらの加工が可能だ。

 すでに欧州では普及が進められており、主に糸へのポリ塩化ビニル(PVC)コーティングに使用されている。織物段階でコーティングした場合、用途や加工仕様によっては織組織の交接点などに樹脂が十分含浸せず、ボイドなど欠点が生じる可能性がある。糸段階でコーティングすれば、こうした欠点を回避できるとして、膜材用途などでは耐候性向上につながるとの評価が高い。

 PVCだけでなく、熱可塑性樹脂ならほとんどの樹脂を使用できるため、様々な用途への応用の可能性も秘める。伊藤忠システックでは、合繊メーカーなども含めて提案を本格化させており、今後の普及に期待を寄せる。

イテマウィービング/多彩な緯糸挿入方式を

 イテマウィービングは、レピア織機からプロジェクタイル織機まで多彩な緯糸挿入方式をラインアップすることで産業資材分野でもユーザーのニーズに合わせた機種提案を進めている。

 現在、日本法人であるイテマウィービングジャパンの織機受注のうち6割から7割が産業資材向けとなるなど、同社の織機の評価は高い。とくにプロジェクタイル織機「P7300HP―V8」は、圧倒的な緯糸挿入安定性から、フィルター、膜材基布、農業資材など幅広い分野で採用されている。ここに来て更新需要もあり、今年は20台以上の受注を獲得するなど、その人気は根強い。コスト競争力が求められる用途ではプロジェクタイル織機のランニングコストの低さは、大きな武器だ。

 もう一つ注目されるのが最新鋭レピア織機「R9500」。車両資材や建築資材の製織で採用されるケースが増えてきた。安定した稼働特性が評価されており、従来はプロジェクタイル織機を使用していたユーザーが、新たにR9500を導入することで稼働面での機動力を高めることを狙うケースが増えている。

 レピア織機「アルファPGA」も資材向け織機として人気だ。筬幅4・6メートルまで対応しており、ガイド付きレピア方式は広幅でも安定した緯糸挿入を実現する。バランスの取れたライアンアップが同社の強みである。

滝沢トレーディング/積極レピア方式も用意

 滝沢トレーディングが輸入販売するベルギーの織機メーカー、ピカノールのレピア織機「オプティマックス」は産業資材製織でも世界的に高い評価を得てきた。積極レピア方式も用意し、広幅製織ではとくに威力を発揮する。

 オプティマックスは、筬幅5メートル超にまで対応しており、ガイド付き積極レピア方式の緯糸挿入システムを搭載することで安定した緯糸挿入を実現する。さらに注目は、経糸の張力を直接制御する機構「ダイレクト・ワープ・コントロール(DWC)」。アラミド繊維や炭素繊維など産業資材織物で欠かせない高機能繊維は糸の伸度が少ないことから、ワインディングから整経、製織まで極めて繊細な張力管理が必要とされる。これに対しDWCは製織段階での張力管理を高度化する最新テクノロジーと言える。

 オプションとして高トルクモーターも用意しており、産業資材製織で求められるハイテンションでの経糸送り出し・巻き取りにも対応可能だ。こうしたテクノロジーによって、日本でもオプティマックスは資材分野で導入が進んだ。北陸産地の機業などが、産業資材向け基布の製織で活用を進める。

 世界的にヒット機種となって久しいオプティマックスだが、その汎用性への評価はますます高まっていると言えよう。