独テクテキスタイル2001/日系企業、出展に満足
2001年05月23日 (水曜日)
先ごろ、独フランクフルトで開かれた産業用繊維国際見本市「テクテキスタイル」に出展した日系企業は、その結果に満足したようだ。「パネルとパンフレットのみの参加だったが、想像をはるかに超える〝数と質〟の来場者があり、同見本市の集客力を認識した。独自品の市場要求度の高さにも改めて驚き、以後の開発基盤にしたい」というカネボウ合繊をはじめ、各社とも出展に手ごたえを感じており、次回の出展にも意欲をみせた。
テイジントワロンを含めグループで大型ブースを構えた帝人は名刺だけで800社以上と日系企業では最も来場者を集めた。
出品したのはパラ系アラミド繊維「トワロン」「テクノーラ」、メタ系アラミド繊維「コーネックス」、モノフィラメント、炭素繊維などとくに目新しいものではないが、「帝人グループとして欧州におけるステータスに対する注目が高く、存在感を示すことができた」とコメントした。
クラレのブースは名刺交換だけで400社を超えた。3月末、米国で開かれた国際不織布見本市「IDEA01」にも出展した同社だが、来場者はIDEAよりもテクテキスタイルの方が規模はもちろん、来場者も多かったという。
PBO繊維「ザイロン」のみの出品だった東洋紡は「正確にカウントしていないものの、カウンターの資料を持ち去ったのは約1000人、商談記録は約200人」という。
約350人がブースに来場した日本カイノール(カイノールヨーロッパとしての出展)は「クリンプ状のカイノール(フェノール繊維)が好評で、潜在顧客を発掘できた」とテクテキスタイル出展に好感触を得た。
カネボウ合繊(カネボウヨーロッパとして出展)は257社がブースに来場し、うち78社とは実際に商談を行なった。出品素材では導電繊維「ベルトロン」、ポリウレタン不織布「エスパンシオーネ」、難燃アクリル「ルフネン」、制菌ナイロン「リブフレッシュN」、ワイピングクロスの「ザヴィーナミニマックス」など独自商品が「知名度も高く、幅広いユーザーの名指し訪問が多かった」ことで自信を持ったとしている。また、従来未知であった新規用途も把握でき、「一層展開可能が実感できた」という。
アルケー企画のブースには約300人が来場した。出品した生分解性繊維製品「レイスター」とマイクロファイバーは好評で、「生分解性繊維の用途開発に新しい発想を提案されたことが大きい」と初出展ながら手ごたえを得た様子。
今回、出展した企業は03年に開催される次回のテクテキスタイルも参加する意向を示すが、その最大の理由は顧客の出会いの場として利用価値があることだろう。実際に日本企業の各ブースで商談が活発なミーティングが行われた。
もう一つは欧州市場に対する最も廉価なPR法という点だ。日本企業が欧米大手企業に比べると、かなり多くの商品を展示したことからも分かるように、日本企業にとってはテクテキスタイル出展は欧州の産業資材ユーザーに対するプレゼンテーションという側面も皆無ではない。
この2点は昨年、大阪で開催されたテクテキスタイル・アジアとの決定的な差といえる。