東レ・日覺昭廣社長に聞く/成長分野・地域は必ずある!

2015年01月06日 (火曜日)

 2015年が始まった。東レの日覺昭廣社長は同社にとって新たな3カ年計画が始まった昨年を「順調なスタートを切った」と振り返る。今年も成長に向けた施策を着実に実行に移していく。国内経済は上向く見通しを示すが、それ以上に体質強化と、現状分析に基づいた事業拡大を着実に進める。

<徹底した現状分析を>

  ――2014年はどのような1年でしたか。

 新中期経営課題「プロジェクトAP―G2016」(AP―G2016)をスタートし、初年度としてやるべきことをしっかり実行できています。成長分野、成長地域での事業拡大では新たな要素を加え、コストダウンでも「生産プロセス革新」「営業プロセスのトータルコストダウン」の考えを打ち出し、その結果として上期に公表した業績になった。全社を挙げて必死になって取り組んだ結果で、しっかり成績を収めることができたと思います。今期は残り3カ月。通期計画も達成できるでしょう。

  ――“成長戦略の確かな実行”を打ち出したのがAP―G2016です。長期経営ビジョン達成に向けた位置づけは。

 2020年近傍の長期経営ビジョンとして売上高3兆円、営業利益3000億円を掲げています。それを射程内に確実に捕らえるためにもAP―G2016目標の達成は極めて重要です。今期の売上高目標は2兆1000億円。2兆円を超えて新たな成長のステージに入ります。営業利益も20年に向けて、16年度は2000億円を狙う水準に高めなくてはならない。コスト競争力強化も含め、そのための施策をすべて打って行きます。

  ――今後の事業環境をどう把握されていますか。

 内需は先行きが少し読みにくく、慎重な姿勢が目立ちますが、消費増税の影響も落ち着き、政権も安定してくれば上向いて来るとみています。円安を背景に14年10~12月には輸出も増えてきているようです。為替の変動に対して当社は、国内を高付加価値品に絞り、海外で量的な拡大を推進する形で、影響を受けない体制を構築してきました。為替変動は外部要因です。その影響を除いて、体質強化や付加価値品の展開でしっかり成長できているかを判断することが重要です。

 世の中、常に変化は起きている。現状を徹底的に分析して、変化を先取りする高付加価値品・革新的な素材を投入すれば事業は拡大できます。

  ――インナーや航空機のように、革新的な素材は「どう使うか」も重要です。

 もちろん、用途の想定も含めての研究開発です。「どう使えばいいか」まで我々が考えなければなりません。それを各用途分野のトップランナー企業とがっちり提携して素材を提供するということです。目覚ましい成長を見せる分野、地域は必ずある。そこにコミットして拡大することが基本的な考え方です。