テクテキスタイル2015/最先端の産資・不織布発信<5月4~7日ドイツで開催>

2015年04月09日 (木曜日)

 世界最大の産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2015」が5月4~7日ドイツ・フランクフルトで開催される。同展は2年に1回の開催で、前回(2013年)は48カ国・地域から約1330社が参加し、97カ国・地域から約2万7500人が来場した。海外子会社も含めて日本企業では旭化成せんい、カネカ、帝人、東レ、東洋紡、三菱レイヨンなどの大手合繊メーカーのほか、アキレス、フジコー、平岡織染、加平、小松精練、日本グラスファイバー工業、JX日鋼日石エネルギー、群栄化学工業、YKK、信州大学繊維学部などが参加し、最先端の産業用繊維・不織布を発信する。

旭化成せんい 3領域で先端材料

 旭化成せんい(ブースナンバー3.1C38)はテクテキスタイル2015で、環境・エネルギー(フィルター)、車・エレクトロニクス、ヘルスケアの3領域で、同社の先端材料素材を提案する。

 同社は過去3回、「テクテキスタイル」に出展してきたが、これまでは素材軸での出品だった。今回展から用途別に先端素材を集めた構成として、欧州の有力ユーザーに訴求する。とくにフィルター向け先端材料や伸縮する電線「ロボ電」などが見どころ。

 フィルター向け先端材料としては、ナノサイズのメルトブロー不織布(MB)を使ったフィルター製品「ユーテックナノ」、ポリエステルSMS(スパンボンド不織布=SBとMBの複合不織布)「プレシゼ」、熱成型SB「スマッシュ」、スマッシュを使ったフィルターバグ「デコブ」、ポリエステル、ナイロンSB「エルタス」、人工スエード「ラムース」や開発中のポリフェニレンサルファイドSMS、ポリケトン多孔膜「PK」、ナノセルロースファイバー不織布「CNF」などを総合的に打ち出す。

 ラムースはイタリアの染色コンバーター、ミコと連携し「ディナミカ」ブランドのカーシート地を欧州中心に販売するが、ラムースの三層構造を生かしてフィルター用にも展開する。PKはエチレンと一酸化炭素の共重合体であるポリケトンを使ったナノサイズ微多孔膜。ナノサイズで制御した微細孔構造とポリケトン独自の特性を生かして、高性能液体フィルター用途などを狙う。

 自動車向けにはディナミカ、タイヤコードやタイミングベルト用のナイロン66「レオナ」、エルタス。エレクトロニクスはノイズ抑制シート「パルシャット」、伸縮電線「ロボ電」を訴求する。

 パルシャットは同社独自不織布、プレシゼに特殊加工を施したもの。Mhz帯からGhz帯の広い周波数帯域のノイズを抑制する。ロボ電はスパンデックス「ロイカ」と繊維加工技術を組み合わせて開発した伸縮する電線。ロボット、ウエアラブル機器の配線に適する。ストレート形状で伸縮し、柔軟性もある。

 ヘルスケアはキュプラ長繊維不織布「ベンリーゼ」、スパンデックスのロイカ、ドルラスタンを出品する。ベンリーゼは化学修飾により吸水性を高めたタイプや、診断テスト用パッドなどの新素材も提案する。

三菱レイヨン アクリルナノ繊維を開発

 三菱レイヨン(ブースナンバー3.1J56)は2度目の出展となるが、今回展ではナノレベルで割繊する不織布用アクリル繊維とその不織布製品を新たに出品する。衣料用や寝装インテリア用が多いアクリル短繊維の資材用途の拡大に取り組んでおり、同展でアクリルのナノファイバー「ナノアクリル」や複合繊維「コアブリッド」シリーズなど特徴的な素材を打ち出す。

 芯鞘構造による導電繊維コアブリッドは不織布に少量混綿することで帯電防止性能を付与、「コアブリッド B サーモキャッチ」は太陽光を吸収して熱に変える発熱繊維で、機能衣料向けに提案する。そのほか、ダウンライクな詰めわた「パフウォーム」、湿式不織布用の0.1Tショートカットファイバー「ボンネルM.V.P」も出品する。

東洋紡 高難燃アクリレート登場

 東洋紡(ブースナンバー4.1A33)は「セーフティ&コンフォート」をテーマに機能素材を出品する。PBO繊維「ザイロン」は有機繊維で世界最高レベルの強度、弾性率、耐熱性、難燃性が特徴で、消防服や耐熱資材向けに提案する。高強力ポリエチレン繊維「ツヌーガ」は耐切創手袋向けのほか、ツヌーガと特殊繊維を組み合わせた冷感生地を寝装用にも訴求する。また、アクリル製造子会社の日本エクスラン工業も出品する。同社は高難燃アクリレート系繊維「PX01」をメーンにアピールする。同繊維はLOI値38、UL―94規格でV―0と優れた性能を持つ、非ハロゲン系、非リン系難燃素材。溶融しないうえ、燃焼時の煙の発生がほとんど無い。また、吸放湿機能があり、アンモニア・酢酸・アルデヒド類への消臭効果もある。寝具・シートの防炎裏材や防護服、衣料・寝具の中わたなどを狙う。

東レ 高機能繊維を中心に訴求

 東レ(ブースナンバー4.1D48)は今回のテクテキスタイルが8回目の出展となる。特殊繊維と高機能テキスタイル、不織布をアピールする。摺動材や耐熱フィルター向けのフッ素繊維、PPS繊維、各種モノフィラメントに加え、日本製の人工スエード「エクセーヌ」(産業用)、「ウルトラスエード」(自動車内装用)のほか、バイオマス由来素材の「エコディア」もカーシート向けに提案する。また、吸水性やストレッチ性などの特徴を持つポリエステル短繊維などは幅広い素材を出品する。

帝人 メタ系新タイプ初出品

 帝人(ブースナンバー4.1E09)はオランダのパラ系アラミド繊維製造子会社、テイジン・アラミドと共同出展となる。

 主力であるパラ系アラミド繊維「トワロン」のほか、タイ子会社のテイジン・タイランドで2015年央から生産を開始する新タイプのメタ系アラミド繊維「テイジン・コーネックス・ネオ」を欧州の展示会では初披露する。

 テイジン・コーネックス・ネオは世界最高レベルの優れた熱防護性と安定した高い染色性を有するこれまでに無いメタ系アラミド繊維。とくに高染色性と後染め可能な点が特徴的。製造工程の化学物質の排出量やエネルギー消費も削減できる。主に防護衣料向けに提案する。

 そのほか、高機能ポリエチレンテープ「エンデュマックス」は防弾、耐衝撃・耐衝突プレートや高圧ガスパイプなど配管補強、耐切創手袋、ロープ、ネットなど向けに提案する。

 ポリエステル繊維では高機能ポリエステルクッション材「エルク」、ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」を出品する。エルクは弾力性、耐久性、通気性、安全性、リサイクル性に優れる。「ナノフロント」は摩擦力、グリップ性、肌への優しさ、ふき取り性、防透性などが特徴、抗菌フィルターや精密研磨クロス向けに提案する。

小松精練 接着剤付き生地を提案

 小松精練(ブースナンバー3.0A53)は衣料、資材用の透湿防水フィルム、接着剤付きの生地やフィルム、合成皮革などを提案する。

 接着剤付の商品は生地と接着剤、生地とフィルム、生地とフィルムと接着剤など、需要家が後加工するときの利便性を考えたもの。合成皮革は柄や風合いなど様々なバリエーションをそろえ、手袋や宝石ケースなど向けに提案する。

 同社はフランス「プルミエール・ヴィジョン」に長年出展するなどファッション衣料用生地メーカーとして海外でも認知されているが、同展出展を通じて非衣料分野の開拓に取り組んでいる。同展への出展は今回で3回目になる。

カネカ コラーゲン繊維もアピール

 カネカ(ブースナンバー4.1G27)は今回のテクテキスタイル2015が2回目の出展となる。前回展同様に、モダクリル繊維「カネカロン」「プロテックス」をメーンに提案するとともに、コラーゲン繊維も初出品する。カネカロン、プロテックスを使用することで高視認でも難燃性を両立できる点を訴求する。同社によると、ポリエステル100%使いでは高視認性素材があるものの、難燃性の付与が難しく、綿100%の難燃加工品は高視認のイエロー、オレンジの染色堅ろう度が低いなどの問題がある。同展ではコラーゲン繊維も提案する。元々、頭髪装飾用で長繊維を展開しているが、同展では短繊維にして不織布用に訴求する。同繊維は吸放湿性、抗菌性、消臭性、難燃性、ソフトな風合いなどの特徴を生かしてフェースマスクなどの化粧雑貨や衛生材料、医療資材などを狙う。