学生服メーカー/制服、来春から一部値上げ

2015年04月22日 (水曜日)

 学生服アパレルのトンボ(岡山市)と明石被服興業(岡山県倉敷市)は、来春から制服の値上げを本格化する。一方で菅公学生服(岡山市)は値上げを見送る方針だ。少子化で市場が縮小するなか、各社の値上げへの対応はどのような影響が出てくるか。新ブランドの投入や、事業体制の刷新など、“次の一手”で市場シェアの維持、拡大に努める。

<縮小する市場へ“次の一手”>

 素材メーカーからの値上げ圧迫が強まるなか学生服アパレルは、店頭商品ですでに値上げを進めていたが、学校指定の制服についても来春から値上げに乗り出す。

 トンボの近藤知之社長は、「生地だけでなくボタンなど付属品も上がっており、もはや(生産コストを自社で)吸収しきれない」と話す。学校、販売代理店と連携しながら「保護者へ値上げに対する理解を深める」考えだ。

 「原材料の値段が上がってきたから制服を値上げするというだけではなく、人材確保などモノ作りそのものが厳しくなってきた」と明石被服興業の河合秀文社長。「モノ作りの面でレベルアップを図る」ためにも、値上げの必要性を訴える。

 一方、菅公学生服の尾﨑茂社長は、「今のところ値上げは考えていない」と話す。「制服は学校全体で生徒が同じものを着用し、各家庭の経済事情が違っても買ってもらうもの」だけに値上げは難しいとの見方を示す。

 各社の決算は、期初に想定していた目標に届かない可能性が高く、諸々のコストアップで減益を見込む。昨年3月の消費増税前駆け込み需要が影響し、今年3月の売り上げが落ち込んだ。さらに、モデルチェンジ校の学校数、生徒数も昨年より減っている。

 文部科学省の2014年度の学校基本調査(確定値)によると、小学校、中学校の生徒数は過去最低を更新。少子化に歯止めがかからないのが実情で、制服市場を開拓していくうえでの戦略の見直しも求められる。

 新製品・ブランドの投入は、その戦略の一つと言える。瀧本(大阪府東大阪市)は英国ファッションブランド「カンゴール」の制服を7月から展開、全国で約50校の採用を目指す。また、制服の無い学校でも制服に似た服装で通学するケースが増えていることを受け、トンボは8月に高校生向けの通学服ブランド「&be(アンビー)」を打ち出す。

 事業体制を刷新する動きも出てきた。明石被服興業は6月から持株会社制を導入する。少子化で市場が縮小するなか、「厳しい経営環境に対応するため、各事業での責任体制の明確化と意思決定のスピードアップを図る」(河合社長)ことが狙い。企画・営業部門を分割承継する明石スクールユニフォームカンパニーを立ち上げ、全国の販売子会社7社を合併・統合、全国の営業ネットワークを再構築することで、マーケティングを強化する。

 菅公学生服は一昨年に北海道、昨年8月に全国で10社の販社を立ち上げ、地域密着による営業の姿勢を強める。「情報ネットワークが整備されてきたなかで、その土地に定着できる環境は整っており、学校とより関係を深める」(尾﨑社長)と、市場開拓に弾みをつける。