伊藤忠とCITIC/波司登に14%出資/新ブランドの導入も
2015年04月28日 (火曜日)
【上海支局】香港証券取引所に上場する中国のダウン衣料最大手、波司登国際は24日、伊藤忠商事と中国中信集団(CITIC)傘下の中信証券子会社が共同で設立する投資会社に株式13・99%を15・5億香港ドル(約238億円)で譲渡すると発表した。伊藤忠は常勤取締役に当たる執行董事を派遣して経営に参画するとともに、商品供給や新ブランド導入などで波司登のアパレル事業強化を支援する。
波司登はダウン衣料で中国国内シェア38%を占める。2014年3月期業績は売上高82・38億元、純利益6・95億元。15年3月期は3期連続の減益を予想している。09年から紳士服、11年から婦人服を手掛け、オールシーズン対応を目指している。同期の売上高の内訳はダウン76%、非ダウン14%、OEM10%だった。店舗数はダウン1万1652、非ダウン1163で直営店比率の向上が課題になっている。
伊藤忠はタイのチャロン・ポカパン(CP)グループと組み、CITICの傘下企業に1兆2000億円を折半出資することを発表している。波司登への出資は、この枠組みでの初のプロジェクトになる。
<小関秀一・伊藤忠商事常務執行役員繊維カンパニープレジデントの話> 「波司登」ブランドの知名度、市場への影響力と伊藤忠の経験、グローバル資源を組み合わせると、相乗効果が発揮でき、波司登の国際競争力を高めることができる。
<王東明・中信証券董事長の話> 波司登は伊藤忠との提携に、中信証券の国際資本市場での実力を加えることで、巨大な発展空間を得る。
<高徳康・波司登国際董事局主席の話> この戦略提携は、我々に伊藤忠と中信証券のグローバルな経験と専門知識をもたらす。