ニッポンの技、ここにあり/テクテキスタイル見聞録(1)/世界最大の産資不織布展
2015年05月25日 (月曜日)
世界最大の産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2015」が5月4~7日、ドイツ・フランクフルトで開催された。繊維における重要性がますます高まる産業用繊維・不織布。それを表すように、同展への出展社数は過去最高を更新した。日系企業も19社が出展し、「ニッポンの技」を披露、全世界から同展に訪れた来場者の関心を集めた。同展から日系企業の産業用繊維・不織布の強みを考察する。
テクテキスタイルは2年に1度開催される。現在は北米、中国、ロシア、インドでも開かれているが、ドイツ開催がその発祥で、今回が16回目。出展者数は52カ国・地域から1389社と、前回展(13年、48カ国・地域から1330社)に比べて4・4%増え、過去最高を更新した。
来場者数はまだ公表されていないが、同時開催の縫製機器の国際見本市「テックスプロセス」との合計では116カ国・地域から4万2000人で、これも過去最高となった。出展者数の増加に伴い、今回から使用するホールが1つ増えて4ホールに拡大。会期も、従来よりも1日多い4日間となった。
同展が国際見本市であることの証しは、海外からの出展者が69%(前回展は67%)に達する点だ。
ベルギー、カナダ、中国、チェコ、フランス、英国、イタリア、ポルトガル、スペイン、韓国、台湾、トルコ、米国、スイス、チュニジアの15カ国・地域(前回展は13カ国・地域)はパビリオンを設けている。
これに対して日系企業(現地法人の出展も含む)は合繊メーカー大手だけでなく、各社が単独ブースを構え、4ホールに分散している。良しあしは別にして、これは前から変わらない。
日本企業は旭化成せんい、カネカ、クラレ、帝人、東レ、東洋紡、三菱レイヨンの合繊メーカー大手に加え、アキレス、加平、群栄化学工業、小松精練、JX日鉱日石エネルギー、島精機製作所、平岡織染、日本グラスファイバー工業、YKK、フジコー、信州大学繊維学部、東レ子会社のトーレ・テキスタイルズ・ヨーロッパなど多種多彩な業種が出展する。
この点は服地の国際見本市である「プルミエール・ヴィジョン」のような同業他社が集まるテキスタイル展と大きく異なる。同時に個々の企業によっても出展の狙いに違いがある。