学生服アパレル/新たなニーズ掘り起こす

2015年05月29日 (金曜日)

 学生服アパレルは、少子化で市場が縮小するなか、これまでの制服供給から一歩踏み出した、新たな動きを強めている。市場開拓などで効果がすぐに出るといった取り組みではないが、学校との関係強化やITの活用で、これまで見えなかった新たなニーズを掘り起こす。

<学校との連携強化やIT活用>

 菅公学生服(岡山市)は、「岡山南高校服飾デザイン科産学連携実学体験プロジェクト(MPS)」で岡山県立岡山南高校と昨年提携し、プロジェクトを通じて生徒へのキャリア教育を推進している。今年は、新入生が来春以降着用する体操服のデザインを赤磐市立磐梨中学校(岡山県赤磐市)から依頼され、MPSの一環として同体操服の企画から商品化までに取り組む。

 両校の生徒や関係者による体操服についての意見交換会を、磐梨中学校で5月23日に開催。デザイン、仕様、価格を10月末までに最終決定する。高校生が中学生の体操服を作っていくという実践的な取り組みは珍しい。菅公学生服の尾﨑茂社長は「実践的な勉強は子供たちにとって将来、大いに役立つはず」と述べるとともに、生徒たちの大胆な発想が「いい意味での刺激になる」と話す。

 オゴー産業(岡山県倉敷市)は、地域の安全な環境作りに貢献する「安全マップコンテスト」を警備サービスのセコムとの共催で毎年開いており、来春9回目を実施する。子供たちの危険回避能力の向上と地域の安全な環境作りに役立ててもらうのが狙いで、「これまであまり接点が無かった学校との関係を構築できるなど、少しずつ認知が広がっている」と片山一昌営業推進部長。コンテストの知名度をより高める仕掛けをしながら、参加校の拡大に努める。

 時間をかけて組織的に制服採用の可否を決断する傾向が強まっていることから、正確でより速い提案が求められる。そのため、IT活用が制服の新たな可能性を切り開く。瀧本(大阪府東大阪市)は、コーディネートやデザイン変更をタブレット型多機能端末でシミュレートできる新たなシステム「T―PIT(ティーピット)」を、6月下旬から7月にかけて開く展示会で発表する。

 リボンやネクタイ、襟やポケットの形状、色合いといった細部の変更依頼を学校側から受けたときに、端末画面上で正確に再現。実物サンプルを改めて制作して持ち込む時間や手間、コストを省く。プロジェクターと連動させてプレゼンテーションにも使える。

 トンボ(岡山市)は、学校制服・体操服の色や形、デザインなど制服の様々なコーディネートをタブレット端末上で確認できる「コーディネートシミュレーションシステム」と、各学校のイメージに合った制服をアンケート回答で提示する「制服診断ソリューション」を支援システムとして開発。ウェブ上で保護者または限定された生徒だけがアクセスでき、1サイズ上の制服や体操服など追加購入が可能なシステムも実用化を進める。