ニッポンの技、ここにあり/テクテキスタイル見聞録(6)/ナイロンナノMBも登場
2015年06月02日 (火曜日)
旭化成せんいは各種不織布を駆使したフィルター製品をテクテキスタイルで披露した。なかでも400サイズのナイロンメルトブロー不織布(MB)開発品は注目株。15年度内に生産体制を整えてワークを始めるという。MBはポリプロピレンが主原料とする場合が多く、ポリエステルも少ない。それだけにナイロンMBは珍しい。
ナイロンMBは製品サンプルを展示していなかったが、来場者にはパンフレットなどで説明。ナイロンが持つ親水性や通水での圧力損失がポリプロピレン比で約半分である点をアピールし、同社のナノフィルター製品「ユーテックナノ」の1シリーズとして展開する計画だ。
カーシート地が主力の人工スエード「ラムース」の基布とスパンボンド不織布(SB)を複合させた自動車燃料用サンクションフィルター(燃料ポンプ一次側に使用)も面白い。捕集効率、長寿命を両立でき、SB・MB複合不織布など使いに比べて小型、軽量化も可能で、コスト削減にもつながる。すでに日系自動車メーカー向けに実績があり、同展を通じて海外展開を模索する。
将来をにらんだセルロースナノファイバー不織布も提案した。今年、延岡支社に試験設備を導入したもの。30、300、400ナノサイズから成る同不織布はポーラスのある膜のような状態。フィルターのほか、FRP基材としての展開も見込む。
フィルター以外では自動車・エレクトロニクス、ヘルスケアの領域に絞った展示構成だが、ポリエステル、ナイロンSBによる自動車資材を総合的に紹介するのも初めての試み。
低目付を得意とする同社だけに内装材は無いもの、シート裏材(スキンクロス)、天井裏材用にナイロン、ポリエステルSB、さらにポリエステルSMS「プレシゼ」を使った吸音材も提案した。すでにプレシゼによる吸音材は商いがスタートしているという。
一方、ヘルスケア領域ではキュプラ長繊維不織布「ベンリーゼ」の新タイプを披露。カルボキシメチルセルロース(CMC)化することで、ベンリーゼの吸水性を従来の4倍にまで高めた。用途提案も面白い。ベンリーゼの吸水性を生かした検査キットの展開だ。
伸縮電線「ロボ電」なども含め特殊でありながら、幅広く産業資材へ展開する同社の特徴がよく分かる。




