ニッポンの技、ここにあり/テクテキスタイル見聞録(8)/コラーゲン、ナノも注目

2015年06月04日 (木曜日)

 今回の「テクテキスタイル」に持ち込んだ、カネカのコラーゲン繊維が関心を集めていた。取材中も足を止め、質問する来場者を多く見た。このコラーゲン繊維、実は頭髪装飾用で展開する長繊維を短繊維化したもの。同時に繊度も頭髪装飾用の55~77デシテックス(T)から2・2Tまで細繊度化している。

 カネカロン事業部営業第1グループの木村達人難燃・資材チームリーダーは「コラーゲン繊維というのが珍しいこともあり、欧州・米国・アジアなど幅広い地域からの関心が高かった」と話すなど、初出品ながら反応は上々。もちろん、商いとして成立するかはこれからだが、吸放湿性、抗菌性、消臭性、難燃性、ソフトな風合いなどの特徴を生かし、フェースマスクなど化粧雑貨、衛材、医療資材での展開を狙う。

 カネカは今回で2度目の出展で、前回とほぼ同じスペースでの出展だったが、同じく2度目の三菱レイヨンは前回の基本パッケージではなく、大きく広げてオリジナルブースを構えた。同社の産業資材・不織布に懸ける意欲の表れとも取れる。

 同社は今回、アクリル短繊維では珍しいナノファイバー「ナノアクリル」を初披露した。アクリルとジアセテートなどを複合化、スパンレース不織布の水流絡合工程などで繊維を分割、300メートルまでの細さにする。

 機能紙(湿式不織布)用のショートカットファイバー「C651」と乾式不織布用のロングファイバー「D656」もそろえ、D656は短繊維不織布メーカーのシンワ(高知市)が採用している。同展でも「反応は良い。輸出にも力を入れたい」とアクリル繊維部第1グループの小林秀章担当課長は話す。同展では扁平アクリル短繊維「ファンクル」(UFO断面)による不織布展開も紹介。かさ高性が高く、剛性も強まる点を訴求した。

 アクリル短繊維では日本エクスラン工業も東洋紡ブースで、高難燃タイプのアクリレート系繊維「PX01」を初披露した。高難燃性、非溶融、燃焼時の煙の発生もほとんど無いほか、吸放湿機能や消臭効果も持ち、寝具やシート地などで販売実績もあるという。こうした動きからアクリル短繊維メーカーがフェークファー、インナー、建寝装に続く柱として産業資材・不織布を強化していることがよく分かる。