日本紡績協会/綿製品需要振興に全力/会長にユニチカ・注連社長
2015年06月05日 (金曜日)
日本紡績協会は3日、第67回定期総会を開き、能條武夫会長(シキボウ社長)の後任に、ユニチカの注連浩行社長を選任した。藤田晴哉副会長(クラボウ社長)の後任には富士紡ホールディングスの中野光雄社長が就いた。任期はそれぞれ1年。
総会後の記者会見で注連会長は、「国産品の再評価や国内生産回帰が進む一方で、最終消費の低迷や海外生産コストの増加など我々の経営を取り巻く環境は依然厳しく、先行きも不透明だ」としたうえで、選択と集中による構造改革や、海外市場での拡販を視野に入れた適地生産・適地販売の強化、機能加工製品の開発が必要だと強調した。
同会は昨年、3カ年の「新中期計画」を策定。注連会長は「中計方針に沿って、より一層の会員サービスの向上と協会運営の効率化に努める」としながら、重点課題としてとくに①綿製品の需要振興②技術・技能の継承――に引き続き取り組む考えを示した。綿製品の需要振興では、日本綿業振興会などと連携し、「コットンの日」イベントや「ジャパン・コットン・マーク」の普及宣伝活動に注力する。技術・技能の継承では、同会内に設置する技術委員会を軸に、中堅技術者の技能研修などを実施する。
また中野副会長は、国内設備の縮小に歯止めがかからないなか、「我々はこれまで、安く作るためにアジアなど海外に進出してきたが、それも限界を迎えている。例えば産業資材分野向けなど、各社が未来型のモノ作りを志向することが重要だ」との見解を示した。
会見ではそのほか、直近の綿糸・綿織物輸入動向や綿製品需給動向について報告があった。