来場者が前回比10%増/日系ミシン、最新機披露/テックスプロセス2015

2015年06月08日 (月曜日)

 5月4~7日、ドイツ・フランクフルトで開催された縫製関連機器の国際見本市「テックスプロセス」。今回展では出展社数は273社と前回展に比べて3社増。来場者数は前回比10%増の1万3300人だった。日系企業では海外子会社からも含めてJUKI、ブラザー工業、ペガサスミシン製造、ヤマトミシン製造の4大ミシンメーカーに加え、森本製作所、タジマ工業、ハッピー工業、貝印、オルガン針、そして日本縫製機械工業会(JASMA)などが出展した。

ブラザー工業/革新アワード受賞

 2009年、ドイツ縫製・皮革機械工業会(VDMA)が、従来のケルンメッセと協力関係を解消し、メッセ・フランクフルトが主催するテックスプロセスを後援すると発表し、第1回が開催されたのが、11年。テックスプロセスは今回で3回目の開催となる。

 前回までは併催展である産業資材・不織布の国際見本市「テクテキスタイル」が3日間、テックスプロセスが4日間という開催だったが、今回からともに4日間の開催となり、より相乗効果を狙った。

 開幕日の4日には両展のオープニングセレモニーとアワードセレモニーが催されたが、テックスプロセスのイノベーションアワードに選ばれたのがブラザー工業の「NEXIO(ネクシオ)S―7300A」だ。1本針本縫いミシンで布送り機構を電子化し、生産性を向上した電子送り本縫いダイレクトドライブ自動糸切りミシンだ。国内では6月22日に発売する。希望小売価格は1台39万円。

 ネクシオS―7300Aは縫い始めの糸絡まり(鳥の巣)を低減し、縫製後の糸残り長さを短くそろえることができるのが最大の特徴だ。従来、針からの糸抜けを防ぐために長くした針糸通しの長さを短くすることで、鳥の巣を軽減。さらに2枚の移動刃を使った新糸切機構を採用し、針穴の真下で糸を切断することが可能なため、3ミリの糸残り長さを実現した。これにより、はさみで余分な糸処理作業が減るため、人件費の削減と生産性の向上が可能となる。

 テックスプロセスの同社ブースもネクシオS―7300Aに対する関心は高かった。

ヤマトミシン製造/独自技術を訴求

 ヤマトミシン製造は独自技術をアピールした。「アクティブ・スレッド・コントロール」を搭載し、伸縮性と安定したシームが得られるスーパー・ハイシーム偏平縫いミシンや縫い終わりで糸を結んでカットするほつれ防止機能「UTQ」なだ。

 スポーツウエア用など縫い合わせるパーツが大きく、伸縮性のある素材に対応できるアクティブ・スレッド・コントロールを搭載した平ベッドフラットシーマーを訴求した。また、ヘム縫い用ワークステーション(オーバーロック)ではセミオートマチックにより初心者でも均一に縫い上げることができる点を紹介した。

 こうした独自技術を組み込んだ高付加価値機種は高価格ではあるものの、省力化や工程の短絡化することにより、トータルコスト削減にもつながる。

ペガサスミシン製造/厚物縫製用も出品

 ペガサスミシン製造は例年同様、提携するブラザー工業との共同ブース。昨年発売した「W3500P」シリーズ、今年2月に日本で販売を始めた「W3600P」シリーズなどの最新機種や省力装置を中心に出品したほか、厚物縫製用機種や家具用パイピングミシンなど、同社もテクテキスタイルを意識した出展を行った。

 例えば家具用の極太パイピング用差動上下送り安全縫いミシンは、超極太のパイピングがスムーズに行えるほか、芯の太さを変更しても押さえ交換が不要で、高品質なパイピングが可能だ。

 同社は欧州販売で直販も含め規模を追わずに質を高める戦略を組んでいる。実際に高付加価値化も進んでいる。

 同展では欧州だけでなく、インド、スリランカ、パキスタンからの来場者も多かったという。

JUKI/ソリューションに重点

 JUKIは今回展で新機種の提案だけでなく「JUKI・スマート・ソリューションズ」をテーマに、ミシン単体だけでなく、シャツ、ニット、ジーンズ、ノンアパレルの4コーナーに分けてミシン、自動機などを組み合わせながら縫製ラインをイメージできる提案したのが特徴的。自動機もメーカー発信だけでなく、需要家の要望に合わせて開発しながら、それらを標準機にアレンジして提案する。

 さらにアタッチメントの製造教育や縫製工場のコンサルタントなどの強みを生かした縫製工場のスマート化をアピールした。日系ミシンメーカーでは最大の展示面積(507平方メートル)の同社ブースには常に多くの来場者があった。

 また、併催展であるテクテキスタイルにも対応し、カーシートや家具、カバン、雑貨などノンアパレル用も全体の30%近くを占めていた。

JASMAが会見/JIAM2016アピール/テックスプロセス会場で

 日本縫製機械工業会(JASMA)JIAM実行委員会はテックスプロセス2015の2日目に会場内で記者会見を行い、2016年4月6~9日、インテックス大阪で開催する「JIAM2016OSAKA」への出展勧誘と来場誘致のプロモーションを行った。記者会見にはVDMAのエドガー・ストラウブ専務理事、メッセ・フランクフルトのオラフ・シュミット副社長も同席した。

 冒頭、あいさつした 近藤章吾JIAM実行委員長は(ヤマトミシン製造社長)は「過去15年、世界のアパレル・縫製業界は高価格や自動機よりも低賃金の国で縫製を行った方が安いというニーズにあった。縫製機器も基本機種の販売が求められていた。しかし、各国の人件費上昇によりニーズは変化し、今時代が求めるのはイノベーティブ・ソリューションである」と強調。それがJIAM2016OSAKAのテーマでもあるとして「JIAMを見れば近未来のアパレル・縫製工場の姿が見える」と出展、来場を呼び掛けた。

 また、JASMA加盟の各企業もJIAMに革新的な新製品を世界に先駆けて発表・展示すべく準備を進めているとも述べた。

 さらに、JASMAの湯原孝志専務理事事務局長がJASMA概要を紹介するとともに、JIAM2016OSAKAがアパレル・テキスタイルだけでなく、工業資材、自動車・航空機、インテリア、服飾雑貨、生活雑貨など繊維加工全般にわたる企業が多数参加し、テーマである「革新的ソリューションと高度加工技術」にふさわしい国際見本市であることをアピールした。