上海テックス2日目/日系 高機能・差別化を/大雨でも商談活況

2015年06月17日 (水曜日)

 【上海支局】上海新国際博覧センターで開催している繊維機器の国際展示会「第17回上海国際紡織工業展覧会(上海テックス2015)」は16日、2日目を迎えた。前日午後からのあいにくの大雨だが、多くのバイヤーらが会場を訪れた。中国の繊維機器市場を狙う日系企業各社が商機をうかがった。

 村田機械〈上海〉は60平方メートルのブースに商談席を多く設け、バイヤーらと活発な交流を図った。昨年の繊維機械見本市「ITMAアジア+CITME2014」で展示した自動ワインダー「プロセスコーナーⅡQPRO」を実演し、渦流精紡機「ボルテックスⅢ870」をパネルや紹介映像でアピールした。また、村田機械の創業80周年ということで、紹介パネルも設置した。

 繊維機械販売部の吉井淳経理は「ボルテックスはレーヨン用途がメーンだが、ポリエステル等でも売り込みたい」と話した。また、中国での業績について「昨年末が底だったが、今年の旧正月ぐらいから、上向きだした。また、中国の国策“一帯一路”の影響によるものか、新疆地区での投資案件が増えている。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)による影響でベトナムも同様」と期待する。

 化繊ノズル製作所は、中国販売を担当する双日と共同出展した。海島型の極細繊維用複合紡糸ノズル(37S/I)やサイド・バイ・サイド用など複合紡糸ノズルなどを複合中心に並べた。上海代表処の三好基志主席代表は、「中国市場が高品質の方向に、複合糸に向かっている」とみる。業界全体の市況は決して良くないが、既存のものではなく“高機能化”や“差別化”を求める動きが高まっているという。