トンボ/「栗原はるみ」発売/新介護ウエアブランド

2015年07月09日 (木曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山県岡山市)は、介護向けユニフォームの新ブランド「栗原はるみ」を発売する。料理研究家の栗原はるみ氏とのコラボ企画。20アイテムでスタートし、9月から納入する。販売目標は初年度1億円。5年後10億円を目指す。既存ブランド「キラク」の実績と販売網を生かし拡大する。

 同ブランドの発売は、5月に開始した創業140周年事業「トンボ140thアニバーサリーマーチャンダイジングプロジェクト」の一環。

 近藤知之社長によると、トンボグループの2015年6月期売上高は前年並みの260億円となる見込み。「消費増税の反動や少子化などの影響で全体ではほぼ横ばいだが、ヘルスケア事業は2けた%の伸び」という状況。ヘルスケア事業は介護、患者用、メディカルウエア、検診衣の4事業で、いずれも前期実績をクリアする。17・2億円の売り上げのうち介護が7割を占める。

 栗原氏は料理研究家としてのほか、ミリオンセラーの『ごちそうさまが、ききたくて。』をはじめ、ショップ併設のレストラン「ゆとりの空間」やオリジナルブランドの百貨店インショップを展開。メディアの露出も多く幅広い層に知名度を持つ。

 トンボは基幹ブランド「キラク」に続き、2年前に「ケアリュクス」をリリース。それまでのパステルカラー使いの〝介護らしい”ウエア群と比べ、上質で落ち着いたテーストを打ち出して好評を得た。「今後は訪問介護や在宅のサービスが増える」と予測、普段着に近い、家庭的な和みのイメージを求めた結果、栗原氏のブランドと巡り合ったという。

 女性介護士が主なターゲット。アイテムと価格帯は、ボーダーシャツやニットシャツなどのトップス(5000~6000円)、チュニック(7200円)、ジャケット(1万4000円)、ボトムスではレディース(6900~7500円)、メンズ(7200~7700円)。介護現場で定番のエプロン、倉敷産の帆布を使ったバッグなど含む。

 「施設の外でも着られる」ベーシックでカジュアルなデザインだが、洗濯頻度の高いアイテムは工業洗濯対応、撥水加工のエプロン、後ろ合わせで着脱しやすい割ぽう着など、同社がこの分野で約20年培った技術とノウハウを随所に生かしている。