MRCパイレン/ポリプロで三芯中空糸/軽量性、保温性が向上

2015年07月23日 (木曜日)

 三菱レイヨン子会社のMRCパイレン(大阪市北区)は三芯中空断面ポリプロピレン長繊維「ライブエア」を開発した。15年から産業資材用途で先行販売しており、現在は衣料向けのスペックに合わせた糸開発、用途開拓を進めている。

 ライブエアはMRCパイレンのポリプロピレン長繊維「パイレン」が持つ軽量性、保温性をさらに向上させたもの。パイレンは元々、軽量性、保温性、耐光性、耐薬品性などに優れ、産業資材やカーペットなどを主力に販売している。

 ライブエアは特殊な溶融紡糸法により、ポリプロピレン長繊維では珍しく繊維断面に、三つ穴の空気層を持つ三芯中空構造を付与した。

 この三芯中空構造により、ライブエアの見掛け比重=原料ポリマーの比重×(1―中空率/100)は0・73~0・78と、通常のポリプロピレン繊維に比べて15~20%軽くなる。

 これは一般ポリエステル繊維に比べて約45%、一般ナイロン繊維比では約35%軽量化が可能となる。また、保温性も一般ポリプロピレン繊維対比で15~20%向上するという。

 こうした特徴を生かして、同社では製品軽量化による作業性向上や消費エネルギーの削減、保温性向上による着用快適性が求められる分野などで開拓を進める。