クラレ「ジェネスタ」/自動車向け強化/16年度に能力増決定

2015年08月26日 (水曜日)

 クラレは高機能ポリアミド樹脂「ジェネスタ」で自動車向けに力を入れる。世界6拠点に販売、技術サービスの担当人員を配置するなど販売体制をグローバルに強化。また、海外を念頭にプラントの新設を2016年度中に何らかの形で決める。

 現状、ジェネスタの主力用途は電気・電子向け、LED向けで自動車用途は10%ほど。これを、17年度(1~12月)を最終年度とする現中期経営計画「GS―STEP」期間内に20%まで高める。自動車用途の事業規模自体も年率40~50%程度で成長させていく。

 耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性など自動車部品の要求性能に対してバランスのとれた特性を有する点を訴求しながら、トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」の冷却系部品に採用されたことなどの国内実績を基に海外展開を加速する。

 日本のほか、すでに欧州、米国、ブラジル、上海、シンガポールの世界6拠点で販売、技術サービス担当人員を配置し、体制を強化。また、現状、西条事業所と鹿島事業所で合計1万3000トンのジェネスタの年産能力を、グローバル拡大に向けて増強する。9000トン規模の新規プラントを海外で設立する検討を進める。

 自動車用途ではこのほか人工皮革「ティレニーナ」やポリエーテルイミド繊維など繊維関連商材の展開にも注力していく。ティレニーナは現在、最終的な物性試験を行っており、取り組み開始にめどがつきつつあるという。