豊島/“捨てない下げ札”提案/シードペーパータグなど

2015年09月01日 (火曜日)

 アパレル製品に必ずついている下げ札。差別化素材の訴求などを目的にオリジナルタグを制作するケースも多いが、購入すると取り外して捨てられてしまうことがほとんどだ。豊島は、下げ札そのものに“捨てない工夫”を凝らした提案を様々な角度から行っている。

 ユニークな取り組みはシードペーパータグだ。花のタネを埋め込んだブランドタグを一晩、水に浸し、手頃な鉢に移して上に薄く土をかぶせると、水やりして5~10日後に発芽するというもの。タグにはナデシコ、わすれな草など複数のタネが埋め込まれているので、寄せ植え鉢に仕上がる。

 このシードペーパーは元々、環境意識が高い街として知られる米コロラド州のボウルダーで、紙ごみを再利用するために開発された。豊島はこのアイデアを取り入れ、副資材メーカーとの取り組みで、国内アパレルブランド向けに提案を始めた。17色の台紙で様々なサイズ・形に対応する。

 フレグランスメーカーのセントネーションズ(東京都渋谷区)と協業したフレグランスタグもブランドの独自性アピールに一役買う工夫を施す。フレグランスOEMも手掛ける同社と協業で、顧客ブランド独自のフレグランスを提供、下げ札に一定の持続性を持たせるように加工して、クローゼットをお気に入りのブランドの香りにできる。

 記憶や感情に訴えかける力が強いと言われる臭覚に、オリジナルフレグランスの香りでブランディングする。

 このほか、ブランドロゴをシール化したタグや消臭機能を持たせたタグなどもそろえる。