それでも内販拡大へ!(1)/――「インテキ上海」を振り返る/市況の影響なく活況に/新しい“もの”求める動き
2015年10月20日 (火曜日)
「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2015秋」が、13~15日の会期を終え閉幕した。中国市場で新しいものを求める動きが加速しているためか、特徴ある素材への関心が例年以上に強くなっていた。(上海支局)
今回、秋展としては初めて、浦東の上海新国際博覧センターから虹橋の国家会展センター〈上海〉に会場を移し、展示総面積・出展者数とも過去最大規模での開催となった。糸の「ヤーンエキスポ」、ニット展「PHバリュー」、秋としては初開催のアパレル展「CHIC」も同時に開催されるなどイベントとしての規模も拡大。最終的な来場者数は現時点では未発表だが、CHICが加わった分だけ前年(7万1000人)を上回ったとみられている。
懸念された中国市況の停滞感の影響も小さく、会場は初日から熱気に包まれた。普段の商売では信用不安や価格要求の厳しさなど市況の影響を指摘する声が出ているものの、展示会に限ればむしろ停滞感があるからこそ新しいものを真剣に探す顧客が増えている観があった。
日本企業ならではの高付加価値素材への関心は例年以上に高く、「昨年よりブースへの来場者は増えている。物が売れないからこそ新しいものを求める動きが出ている」(モリリン)などの声も聞かれた。
会期を1日縮めて3日間とした影響も小さく、「集中してちょうど良い」(サンウェル)という声も多かった。
一方、次回以降の課題としては、集中する時間帯への対応が挙げられた。会場の広さ・構造からか、前回に比べると午前の来場者が少なく、午後になると一気に増える傾向があり、企業によっては十分な対応がしきれない時間もあった。
今回の「ジャパンパビリオン」の出展者数は36社。初出展の八木通商、シモムラも手応えをつかんだようで、ともに継続出展の方向で検討するという。八木通商は生地輸出が米国70%、欧州30%のなかで、新たに中国市場を狙って出展。とくに「日本しかできない素材」が好評だった。シモムラは昨年傘下に入れた鈴倉インダストリーの技術も合わせて紹介し、トリアセテートやレーヨンの中肉厚地素材などが注目されたという。