AFF東京、きょうまで/得意分野を生かし顧客開拓/特徴ある初出展企業も
2015年10月23日 (金曜日)
きょう23日までサンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)で開かれている「AFF・東京2015」の初日(21日)来場者は約1700人で、昨年とほぼ同程度となった。中紡広告展覧公司の孫暁明総経理は、前回展の東京ビッグサイトからの開場変更、アパレル生産での日中の厳しい現況などから「来場者数が減る不安があったが、前年並みの規模となり有り難い」と語った。「興味を引く出展企業が多く、AFFが対日取引のなかで自社の付加価値を高める場になっている」と同展の機能を強調。初出展企業も健闘している。
〈調達背景広げ差別化/青島九州友邦工貿〉
カゴ、バッグ、シューズなど雑貨全般のOEM企業である青島九州友邦工貿は初めて出展した。日本の窓口となるタイムズ(東京都品川区)を設立し、販路拡大の機会を探る。
縫製バッグ工場と月産2000個規模のカゴ工場を保有。対日をメーンに百貨店ブランドやセレクトショップ向けなど高級ゾーンのモノ作りに力を入れる。このため、1型300個からの小ロットに対応するほか、調達経路の多様さを強みとする。
〈クイック対応に強み/晶喜吻服飾〉
初出展となる晶喜吻服飾は、2年前設立の新しい会社だ。カットソー、ニットを主体に、小ロット・短納期を強みとして、新規顧客の開拓を狙う。中国生産にQRを求める傾向が強まるなか、競合は激しいが、同社はとくに「サンプルアップで素早い対応ができる」(担当者)。
対日OEM実績を長年経験した人を中心に立ち上げた同社には、長年の信頼関係がある協力工場のネットワークが中国だけでなくベトナムにも広がる。市場などから調達する素材についても“日本人好み”の色合いや素材感を選択する目利きにも自信を示す。
〈高品質カシミヤ紹介/赤峰凱蘭羊絨製品〉
カシミヤセーターメーカーの赤峰凱蘭羊絨製品は今回、AFFに初めて出展した。8割が欧米向けを占める同社だが、大手百貨店向けを中心に一部、SPA向けも手掛け、対日輸出は10年以上の実績を誇る。
韓勇副経理によると「カシミヤセーターの取り組みは1970年代に日本向けから始まったもの」で、その評判が欧米向けで伸びていったという。それだけに「日本向けを再強化したい」という意欲が強い。
計600人が働く2カ所の自社工場では、月に最大40万枚を生産する。ここ数年の停滞を乗り越え、今期は上向いているという。昨年同時期に比べ10%ほど下がった原料価格が後押ししており、「来期はさらに期待できる」と語る。