大手学生服アパレル/生徒減 色濃く業績反映/市場シェア拡大で新戦略

2015年11月04日 (水曜日)

 学生服製造大手4社の2014年度決算が出そろった。昨年の消費増税による駆け込み需要の反動に加え、2015年の入学商戦で制服を納入する既存校の生徒減が色濃く反映し、各社は減収減益が目立った。

 売上高は明石被服興業(岡山県倉敷市)を除き、軒並み減収となった。その明石被服興業も学生服の売上高を見ると、前期比0・2%減の177億円とわずかながら減収だった。

 利益面は瀧本(大阪府東大阪市)が、在庫適正化など構造改革の断行で、営業損失4400万円(前期4600万円の黒字)、経常損失3200万円(同5500万円の黒字)と赤字。菅公学生服(岡山市)は、大山工場(鳥取県大山町)の新設や円安による原材料価格の大幅な上昇で、純損益が3億2000万円の赤字(前期1億200万円の黒字)になった。

 来入学商戦に向け、大手間での競合が激しさを増すなか、各社は消費者への認知度向上や学校支援の強化などで、市場シェアの底上げを図る。

 明石被服興業から営業部門を引き継いだ明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC)は、PRキャラクターの名前を募集し、今月18日に東京の秋葉原UDX(東京都千代田区)で、大々的にキャラクターの名前とともに、プロモーションビデオの発表を予定し、消費者へのアピールを強めることで、自社製品の需要喚起につなげる。

 菅公学生服(岡山市)は、11月に東西で開催を予定する学校支援活動紹介&制服・体育着展示会「スクールソリューションフェア」で協賛企業を広げ、内容をより充実したものにする。今月5日の東京展では新しい制服プロジェクトの始動についても発表する予定。

 新ブランド投入による市場開拓も活発化。トンボ(岡山市)は、17年の入学商戦から学校別注用途へ、人気の制服ブランド「イーストボーイ」の販売に乗り出す。初年度5校ぐらいからスタートし、最終的には50校の採用、小売価格ベースで10億円の販売を目標に掲げる。

 瀧本は「カンゴール」やミズノと共同展開する「ミズノ」ブランド学生服を拡販するとともに、在庫の適正化や自社工場と協力工場の技術・品質標準化も進める。