ITMA2015閉幕/活発だった実商談/IJ捺染、ニット関連が活況

2015年11月20日 (金曜日)

 イタリア・ミラノで開催されていた世界最大級の国際繊維機械見本市「ITMA2015」が19日、閉幕した。出展者からは「久しぶりに実商談が盛んなITMAになった」との声が上がるなど充実した成果を上げたようだ。とくにニット関連機器やインクジェット(IJ)捺染機に関する注目度が高かったのも特徴だ。紡織関係でも新たな提案が多かった。

 今回のITMAはニット産地でもあるイタリアでの開催ということもあり、編み機関係の展示館が活況。なかでも島精機製作所は「ホールガーメント」(WG)横編み機の発表から20周年ということもあり、大規模ブースを構えて新型WG横編み機やデザインシステム、製品サンプルを紹介し、有名ラグジュアリーブランドのトップが長時間にわたって商談を行うなど注目度が高かった。

 靴下・パンスト編み機のロナティグループのブースも連日の盛況。新型パンスト編み機はセンター部分の縫製を省略できる“ワンピース”編み立てを実現しており、自動縫製装置と合わせてパンスト生産の工程自体の変革を迫る画期的な提案だ。福原産業貿易グループの電子柄編み機の進化やシリンダーとダイヤルで4倍のゲージ差を可能にし、裏表でまったく異なる上場の編み地を生産する技術を披露した。

 今回展からプリント機器部門が独立したのも特徴だ。とくにIJ捺染機はコニカミノルタ、MS、ストークの3社がシングルパス方式を提案し、捺染業のあり方を根本的に変革する可能性を秘める。

 紡織関係では革新技術の競争が激化した。自動ワインダーではアームトラバース方式の巻き取り機構を村田機械、ザウラー・シュラホーストに続いてサビオも発表した。レピア方式タオル織機でイテマウィービングとピカノールから新型機が相次いで登場。エアジェット織機は豊田自動織機と津田駒工業の二強に対してピカノールを中心とした欧州勢が巻き返しを狙う。また、産業資材向けも一段と拡充され、ドルニエは新型レピア織機「P2」を披露した。

 不織布機械も一段と存在感を高めている。ディロ、アフテファ、アンドリッツなど大手メーカーが大規模ブースを構えた。いずれも中小メーカーを買収することでラインアップを拡充しており、フルライン提案が一段と顕著になっている。