東レ/ナイロンで新伸縮素材/植物由来原料の複合糸で
2015年12月01日 (火曜日)
東レは11月30日、植物由来のバイメタル構造ナイロン長繊維を使用したストレッチ織・編み物を開発したと発表した。ポリエステル系3GT繊維による「フィッティー」「フィールフィット」「フレクション」などスポーツ・カジュアルウエア用ソフトストレッチ素材の統合ブランド「プライムフレックス」の一つとして、17年春夏からグローバルに展開。アウトドア向けを中心に投入し、2016年度に10万メートル、3年後に200万メートルの販売を目指す。
同ナイロン長繊維によるストレッチ素材は環境配慮と優れたストレッチ性が特徴。ポリマー重合、複合紡糸、糸加工、生地設計や染色・仕上げ加工を組み合わせて開発した。
原糸は、ひまし油から得られるセバシン酸を原料とする植物由来のナイロン610とナイロン6のポリマーから成るバイメタル構造糸を使用。ナイロン610は約60%が植物由来のため、新原糸の植物由来比率は30%となる。
ナイロンでのバイメタル構造糸は同社初。後加工によりナイロン6部分が収縮することで伸縮性を付与するとともに、さらに加工段階で工夫によってソフトで、しっかり伸びてしっかり戻る特性を実現した。
同社試験によると、スパンデックス使いに比べてソフトな伸縮性でありながら、捲縮加工糸使いよりもストレッチ性を糸段階で約5割高めた。糸種は現在22デシテックス(T)と56Tの2タイプだが、バリエーションの拡充は可能。スポーツ・カジュアルウエア用の生地販売のみで、生地値はナイロン捲縮加工糸使いに比べて約5割高。
〈10日からスポーツ素材展〉
東レは17春夏東レスポーツメッセージ展「チャージ・ザ・ファンクション」を大阪=10、11日、大阪本社31階プレゼンテーションルーム(大阪市北区)、東京=15~17日、東京本社25階大会議室(東京都中央区)で開催する。
16ブランドの高機能素材約200点を出品。「プライムフレックス」、高通気織物「ドットエア」、軽量・高密度織物「エアータステイック」、透湿防水素材「ダーミザクス3D」、吸汗速乾ニット「フィールドセンサー」シリーズ、ニットの防水透湿素材「アクトウインド3L」のほか、縫製品提案も行う。