不織布100選/~成長する理由~(36)/三菱レイヨン/ナノアクリル、不織布へ

2015年12月07日 (月曜日)

 三菱レイヨンはかつて、セルロース100%不織布やフロッピーディスクライナー用サーマルボンド不織布を製造販売していたが、現在はアクリル短繊維「ボンネル」、トリアセテート長繊維「ソアロン」などによる衣料用や家庭用が主力のため、産業資材・不織布のイメージがあまりないかもしれない。

 その同社が昨今はボンネルによる不織布用途に本腰を入れている。

 その表れが2013年、15年と2回連続で出展した世界最大の産業資材・不織布国際見本市「テクテキスタイル」への出展だ。

 2度目の出展となる15年は前回の基本パッケージではなく、スペースを拡大しオリジナルブースを設けた。同社の産業資材・不織布に懸ける意気込みを示したとも言える。

 展示内容も斬新だった。不織布の世界ではポリエステル短繊維、ポリプロピレン短繊維、あるいはレーヨン短繊維などが主要素材だけに、アクリル短繊維そのものが珍しいが、それだけではない。

 同社の不織布用アクリル短繊維は、機能紙(湿式不織布)用ショートカットファイバー「ボンネルM.V.P」が代表的で、この世界では認知されているが、テクテキスタイル15ではアクリル短繊維として珍しいナノファイバー「ナノアクリル」を初披露するとともに、フェークファー用が主力の扁平アクリル短繊維「ファンクル」(UFO断面)を使うことで不織布にかさ高性、剛性を付与する提案も行った。

 ナノアクリルはアクリルとジアセテートなどを複合化した割繊繊維で、スパンレース不織布の水流絡合工程などで繊維を分割させて300ナノメートルまでの細さにする。これにより吸水性やふき取り性などを高めることができる。

 機能紙用のショートカットファイバー「C651」と乾式不織布用のロングファイバー「D656」があり、D656は短繊維不織布メーカーのシンワ(愛媛県四国中央市)が採用している。テクテキスタイルでの反応も良かったことから、今後輸出にも力を入れていく考えだ。

 ボンネルの不織布を含めた資材比率はまだ1けた%にとどまる。当面の目標は10%。資材の拡大には不織布がカギを握る。

(毎週月曜日に掲載予定)