ミラノからの手紙/「ITMA2015」報告(2)

2015年12月09日 (水曜日)

 合繊の紡糸プロセスやテークアップワインダー、延伸仮撚り機など合繊機械は日本のTMTマシナリーとドイツのエリコン・バーマーグの世界2強体制が続いている。いずれも中国など新興国が主力市場であり、ユーザーも限られることから今回も基本的にクローズド方式での提案となった。

 そうしたなか、「ITMA2015」で新たな動きとして注目されたのはTMTマシナリーだった。テークアップワインダーに搭載するロボットを披露した。

 TMTマシナリーが開発したのは、POY用テークアップワインダー「エコオルカ」の糸掛け工程を自動化するロボット。POYのテークアップは通常、1ポジションに対してワインダーへの糸掛け工程に1人、玉揚げ工程に1人の計2人の人員が必要だった。このうち糸掛け工程をロボット化することで、必要な人員は半減する。

 合繊工場は膨大なポジション数で生産現場を構成する。このため工程のロボット化は、大規模工場ほど省人化効果が大きい。TMTマシナリーの開発への注目度は高く、今回開発したロボットは、有力ユーザー企業でフィールドテストすることがすでに決まった。ITMAを視察した日本の研究者からも、繊維の生産プロセスの新しい動きとして評価する声が多い。

 IoTへの対応も進む。今回展では生産管理システム「IBIS」も紹介。従来は専用の設定機器を使って設備の管理を行っていたものを、タブレット端末などを使って実行できる。こちらもすでに個別ユーザーとの接続を開始しており、今後の普及を目指す。ロボットに加えてIoTの活用で合繊の生産プロセスや管理手法の革新が進む可能性を秘める提案だった。

 一方、糸加工機でAIKIリオテックがスラブヤーンの空気加工機の新タイプ「ATS―600」をメーンに展示。6種類のスラブヤーンの中から2~3種を複合して様々な糸が選択できる。従来機は4種類から1~2種の選択しかできなかった。

 新タイプは、2種類のスラブ糸を1度に同時加工できる。同機種はインドを中心にパキスタン、トルコなどからの注目度も高い。とくに大手の機業が興味を示した。市場に不透明感が広がるなかでほかに無い糸への興味が高くなり、緯糸に特殊糸を使用することでテキスタイルの高付加価値化を図るために同機を数台導入しようというケースがあるという。