ミラノからの手紙/「ITMA2015」報告(4)/紡績機械(2)/電子制御とセンサー進化
2015年12月11日 (金曜日)
リング精紡機は、基本原理がすでに完成された機械だけに、引き続き省エネ性能と生産性の向上が大きなテーマだ。コンパクト装置の搭載も標準化されて久しい。そうしたなか、今回の「ITMA2015」では電子制御とセンサーデバイスの応用が一段と進んでいる。
豊田自動織機はリング精紡機「RX300」を実機出展したが、最大の目玉はインジェクションスラブ装置を進化させて“モザイクヤーン”の紡績を実演したことだろう。精紡交撚コンパクト精紡のドラフトローラーを個別サーボモーターで駆動させ、電子制御で回転速度・回転方向を自在に変更することで形状や粗糸の構成を自由に組み合わせたスラブ糸の生産が可能。
傘下のウスター・テクノロジーズと共同開発した糸切れセンサー「ウスター・センチネル」も新たに搭載した。省エネ性能などでは元々世界最高水準のレベルにあるとされるRX300だが、電子制御による多彩な糸の紡出能力やセンサーデバイスの強化でさらに強力な機種に進化している。
欧州メーカーに目を向けると、リング精紡機はザウラー・チンザー、リーター、マルゾリなどが実機を出展。いずれもコンパクト精紡が中心となり、とくに省エネ性能などをアピールするケースが多い。なかでもザウラーグループは中国資本への事業売却でエリコングループから独立してから初めてのITMAということもあり大規模ブースを構え、リング精紡機もザウラー・チンザーが「チンザー72」を実機展示した。
ザウラーグループは“E3(エネルギー・エコノミクス・エルゴノミクス)”を統一テーマに掲げており、チンザー72も省エネ性能の向上や1台2016錘とすることによる高生産性、操作性の向上などを打ち出していた。
リーターも最新鋭のコンパクト精紡機「K46」を実機展示。省エネ性能に加え糸品質の高さをアピールした。リーターは同社のコンパクト精紡機で生産した糸を「Com4」ヤーンのブランドで打ち出すなど川下戦略にも力を入れている。
コンパクト精紡の場合、精紡機だけでなくコンパクト装置の販売もメーカーにとって重要になる。マルゾリはコンパクト装置「Mac3000」の提案にも力を入れていた。




