ミラノからの手紙/「ITMA2015」報告(9)/織機・織布関連機器 3/タオル織機で新型相次ぐ

2015年12月24日 (木曜日)

 織機分野でとくに話題となったのがタオル織機だった。イテマとピカノールが新型タオル織機を相次いで発表したことで、にわかに競争が激化している。タオル織機は日本も有力な市場のため欧州の織機メーカーの視線は熱い。

 イテマは、満を持して新型のレピア方式タオル織機「R9500テリー」を披露した。イテマグループが保有する要素技術を投入し、従来機とは一線を画する機械になったと自負する。最大の特徴はパイル長調整機能。ファブリック・ムーブ機構と開口の組み合わせで同一緯糸上で様々なパイル長を形成することが可能だ。

 ITMA会場では2688口の電子ジャカードを搭載し、緯糸8色で製織実演した。最高速度は毎分540回転と生産性にも優れる。世界各国の有力ユーザーには先行提案しており、すでに100台以上の受注を得るなど評価は極めて高い。

 一方、タオル織機で一躍台風の目に躍り出たのがピカノールだ。レピア方式の「テリーマックス」、エアジェット(AJ)方式の「テリープラスサマム」と、異なる緯糸挿入方式でそれぞれ新型タオル織機を発表した。

 テリーマックスも電子制御によるパイル長調整機構を持ち、最高回転速度は毎分550回転でやはり生産性にも優れる。AJ方式のテリープラスサマムも同社の旗艦AJ織機「オムニプラスサマム」をベースにしたタオル織機であり、高生産性に加えて緯糸8色にも対応する汎用性が特徴。やはり一部ユーザーに先行提案しており、スペインやポルトガルといった欧州のタオル産地から引き合いが寄せられるなど評価は高い。

 とくにレピア方式のタオル織機に関しては各社とも日本市場への視線は熱い。先進国の中では、日本のタオル産地は有力市場となっている。現在、日本市場でレピア方式のタオル織機はイテマが大きなシェアを持つが、これにピカノールが割っては入ろうとする構図だ。イテマとピカノールともに日本法人や日本代理店を通じてタオル産地への提案に力が入る。

 AJ方式については豊田自動織機と津田駒工業が世界的に大きなシェアを持つが、ピカノールとしては海外市場で日本メーカーのシェアにどれだけ食い込んでいけるかが焦点になる。ITMA2015ではこのほか、スミットがレピア織機「GS960」のタオル織機バージョン「GS960F」を実機提案していた。

 先進国の織布産地の中では、タオル産地は比較的設備更新・新規導入が活発な分野だ。それだけに織機メーカーにとってタオル織機は極めて重要なカテゴリーとなっていることが鮮明だった。