ミラノからの手紙/「ITMA2015」報告(10)/織機・織布関連機器 4/多彩な特殊織・編み機

2015年12月25日 (金曜日)

 ITMAの見どころの一つに多彩な特殊織機と編み機の存在がある。衣料用だけでなく産業資材用途も含めて存在感が年々高まっており、ニッチな分野こそ革新的な新機構が活用される傾向が加速している。

 細幅織機と編み機メーカーのヤコブミュラーは、自社の機械のほか、2012年に傘下に加えたコメッツの細幅編み機を実機展示した。とくに600ミリ幅の「アコトロニック8B600」は電子制御による8枚筬とコンパウンドニードルでカーテンなどのほか炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維の編み立ても可能なことから、産業資材用途への提案も進める。そのほか、ヤコブミュラーとして主力の細幅織機も実機提案する。同社の細幅ニードル織機は、元々機械本体に操作盤が無く、タブレット端末などで最大8台まで管理が可能。すでにIoTの活用が進んでいるとも言えそうだ。

 マゲバは多段シャトル織機などを実機提案。サーボモーター制御で多段シャトルを個別に動かし、生地の厚みや送り出し・巻き取り速度、打ち込み密度を自由に変えながら三次元織物などを自由に製織できる。二幅ニードル織機もラインアップ。ダブルニードルで厚み・伸縮性のある30ミリ幅テープの製織が可能だ。

 大型特殊織機でもユニークな提案が多い。バンデビーレやストーブリは、ともに大型カーペット織機を実機提案したが、産業資材向けの仕様を用意しており、ITMA会場でも三次元織物などのサンプルを展示した。

 さらに特殊な分野ではトリンカの超重布織機が実機出展されていた。打ち込み強力は8トンに達するため、繊維だけでなく金網や抄紙用ベルトなど重布・超広幅織物に対応する。偏心カムで開口量を自由に調整できるほか、サーボドビーによる開口は回生エネルギーを使用しているため極めて省エネ性にも優れる。

 産業資材用機械は今後、東京オリンピックに向けて日本でも建材分野などで需要が高まる可能性を秘めている。