ミラノからの手紙/「ITMA2015」報告(12)/編組機械 上/丸編みは電子柄が進化
2016年01月06日 (水曜日)
今回の「ITMA2015」は、世界的なニット・カットソー産地であるイタリアでの開催ということもあり、丸編み機、横編み機、ソックス・パンスト編み機など編組機械の展示ホールは開幕初日から大盛況だった。丸編み機では福原産業貿易グループやマイヤー&シーなど大手メーカーが大きな存在感を発揮している。とくに電子柄編みの進歩は著しい。
福原産業貿易は欧州、アジア、北米、中南米など世界各地から来場があるなど前回の「ITMA2011」以上の成果を得たという。
今回は得意とする電子ジャカード丸編み機をさらに進化させたが、衣料用途ではとくに「クォーターゲージ」技術が注目された。
クォーターゲージは、表地と裏地で4倍のゲージ差を編成できる技術(シリンダーで7ゲージ、ダイヤルで28ゲージ)で、これまでに無い生地が生産できるとして多くから注目を浴びた。汎用性も高く、簡単な部品の付け替えで高速のインターロック機などへの変換が可能としている。
また、マットレス地用では高付加価値化と生産性向上の双方から新機種を紹介した。「M―LEC8BSH」はダブルニット・電子ジャカード機として最高水準の高生産性を実現。欧州で人気の高速機種「M―LEC8BSC」を改良し、口数は38インチで108口、回転数は従来の18回転から24回転に増やして生産性を30%高めた。1日に1000メートル以上の生産が可能。また、両面選針で多色使いのジャカード柄でハイゲージの生地が生産できる「M―LEC6DSI」を紹介した。とくに電子柄編み機では初となるシリンダー、ダイヤル とも28ゲージを実現。さらに両面選針で、ダイヤル2ポジションの上でシリンダーを従来の2ポジションから3ポジションに増やし、多彩なデザインを可能とした。
マイヤー&シーも、シングル・ジャージ機のほか、マットレス生地用のダブルニット機を出展したが、ユニークなのはスピニングニット機だろう。スピニングニット機は、紡績機械と丸編み機を融合させた機械として前回の「ITMA2011」でプロトタイプ機を発表していたが、今回展では実用化に向けて進化させたバージョンを披露した。
ロービングを機械に供給してニット生地に編組する仕組みは、精紡・ワインディング工程を省略してニット生地を生産できる。綿100%のほか、合繊や定番的な混紡原料でも編組が可能だとしている。どれだけの汎用性があるのかは未知数だが、生産プロセスの革新という意味で今後の動向が気になるところだ。
ロナティグループのサントーニは前回展に続いて80ゲージの編み立てが可能な「アトラス」を実機出展したほか、成形編み機でシリンダー径のバリエーションを拡大した。最大22インチ径まで用意することでスポーツやアウター用途への普及を進める。また、「SM―DJ」はシューズのアッパー材として丸編み地を提案する野心的な構想を秘めた機械だろう。




