ミラノからの手紙/「ITMA2015」報告(13)/編組機械 中/横編みの可能性が広がる

2016年01月07日 (木曜日)

 ラグジュアリーブランドなどが集積するイタリアでは、高性能な横編み機への関心は高い。「ITMA2015」でも島精機製作所やストールなど横編み機メーカーのブースは連日の人だかりとなるなど大盛況だった。なかでも注目を浴びたのはホールガーメント(WG)横編み機発表から20周年となった島精機製作所だろう。次世代型WG横編み機である「MACH2XS」を披露した。

 島精機製作所のブースは連日にぎわい、5日目には前回の8日間合計の引き合い数を超えた。会期中、WG機への引き合いは既存顧客と新規が半分ずつの割合。これまでWG横編み機に注目しながらも導入を決めかねていた企業も、最新機の完成度を見て時期が来たと判断するケースも多かったようだ。

 MACH2XSは4枚ベッド機構で初めて可動型シンカーを搭載し、生地の品位・デザイン性を高めることに成功した。これまでは編み地を引っ張って編み目を作る形だったが、新機構では糸を上方から押し込む形でループを移動・編成するため、従来機では不可能とされた立体的な編成が可能になる。糸を下方から引き出すための捨て編み部分も不要となり、糸のロスも1割減るという。編み幅も小さくなることから生産性が大きく向上するなどのメリットもある。

 生産性の向上と立体的なデザインの編組が可能になり、トータルデザインシステム「SDS―ONE APEX3」と組み合わせることで、究極の多品種・小ロット・短納期生産を実用的なコストで実現する道筋が見えてきた。実際に会期中にはイタリアの有名ブランドのトップもブースを訪れるなど、関心の高さをうかがわせる。

 一方、コンピュータ横編み機では「SRY183LP」も評価の高い機種。布帛ライクなニットが生産できるのがこの編み機の特徴だが、新型機で180センチ幅まで対応したことで汎用性が高まる。

 また、「SRY123LP」ではモノフィラメントやラメ糸の編組も実演。スポーツやインテリア用途、さらには資材分野でのニットの可能性を提案している。

 従来、横編みの用途はセーターやマフラーなどが一般的だったが、立体的なデザインや布帛ライクな風合いの生地を生産できるようになったことで、アウターからスポーツ、さらには資材といった分野への応用が可能になる。編み機の進化が横編みの可能性を大きく広げたと言える。