村田機械/CNT紡績糸を試販/将来の機械販売も視野

2016年01月29日 (金曜日)

 村田機械は、27日からきょう29日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれている「ナノテク2016」に出展し、カーボンナノチューブ(CNT)紡績糸を紹介している。

 CNT紡績糸はCNTアレイから長尺紡績糸を実現した商品で、今期から糸でのテスト販売を開始した。

 用途は超軽量化電線、軽量高応答ヒーター(放熱・冷却用途)、複合材用ニアネットシェイプ・プリフォーム、人工筋肉、ソフトアクチュエーターなど。

 CNT紡績糸は(1)比較的密度が低い(2)比較的密度が高く、引っ張り強度も高い(3)大量生産向き――という3タイプをそろえる。CNT直径は1~80ミクロン、引っ張り強度は強度の高いタイプで1・7GPa。合撚糸も可能なので、ニットなどにもできる。現在はさらなる研究開発に取り組みながら、糸で需要を探っている段階だが、将来の機械販売も視野に入れ、村田大介社長は「ニーズが見つかった段階で素早く対応していく」と話す。また、このような繊維機械技術の新領域への展開も重視し、「今後も開発を続けていく」とする。