帝人/CNT糸使いのモーター紹介/オランダで関連会社設立
2016年02月02日 (火曜日)
帝人は1月27~29日に開かれた「nano tech 2016国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(東京ビッグサイト)で、カーボンナノチューブ(CNT)ヤーン使いのコイルを搭載したモーターを初めて紹介した。昨年の出展テーマ「孵化」から、今年は「飛翔」としてより具体的な形で展示した。
CNTヤーンは米国のライス大学などと共同で開発。繊維軸に沿ってCNTが規則正しく配列されており、優れた電気伝導性、熱伝導性などの特徴を持つ。オランダのテイジン・アラミドで、パラ系アラミド繊維「トワロン」の紡糸法である湿式液晶紡糸法を生かして製造している。同製法は原料を強酸に溶かし、高分子材料が液晶状態にあることを利用して紡糸する方法で、繊維の分子を規則正しく配列でき、CNTヤーンの量産が可能となる。
CNTヤーンはすでにオーディオケーブル用に展開しているが、今後、軽量、極細配線、柔軟性、非金属性、耐熱性、化学安定性などの特徴を生かして新用途開拓を加速する。