不織布100選/~成長する理由~(40)/カネカ/コラーゲン繊維、不織布へ

2016年02月08日 (月曜日)

 「営業利益率35%」という“超”が付くほどの高収益性を持つ繊維がある。カネカのモダクリル繊維「カネカロン」だ。

 同社の「合成繊維、その他」事業は2015年度上期(4~9月)、連結売上高246億円(前期比14・3%増)、営業利益87億円(57・8%増)と大幅な増収増益となり、セグメント別では稼ぎ頭。販売面では主力であるアフリカの頭髪装飾用がけん引。さらに原料安、円安も追い風になったが、それにしても繊維では例を見ない高収益を確保する。

 国内の高砂事業所(兵庫県高砂市)に年産6万1000トンの生産設備を持つが、先ごろマレーシアのカネカマレーシアで新設備1万2000トンを立ち上げて総能力を約20%増強。マレーシアへの投資額は約90億円に上る。繊維への投資額も破格だが、それだけのポテンシャルがあるということなのだろう。

 カネカロンは頭髪装飾用以外に、フェークファー用、難燃用が3大用途だが、カネカロンの技術を生かした新素材を開発し、産業資材や不織布にも力を入れている。

 その一つが、イオン交換/キレート繊維。カネカロンの技術により、各種置換基を化学的に結合させたイオン吸着繊維で、ビーズ状吸着体に比べ、イオンの高速吸脱着が可能であり、形状加工性にも優れる。排水処理や有害金属除去、放射性廃棄物除去など環境分野、純水、超純水製造などイオン交換分野、さらに有価金属回収などリサイクル分野を狙う。

 もう一つはコラーゲン繊維。元々、長繊維により頭髪装飾用で展開していたものだが、これを短繊維として不織布用に展開する。このため、頭髪装飾用の55~77デシテックス(T)から2・2Tまで細繊度化した。

 コラーゲン繊維はソフトな風合い、抗菌性、吸放湿性、難燃性、消臭性などが特徴。抗菌性では黄色ブドウ球菌、肺炎カン菌、MRSA、大腸菌、緑膿菌などに効果がある。

 水との親和性が高く、吸放湿性は綿の倍の能力。消臭性は汗臭(アンモニア、イソ吉草酸、酢酸)、トリメチルアミン、インドールなどの悪臭にも高い効果を発揮する。さらに難燃性はLOI値(限界酸素指数)35%超。

 こうした特徴を生かしてフェースマスクなどの化粧雑貨や衛生材料、医療資材などの開拓を目指している。コラーゲン繊維は昨年5月に開催された世界最大の産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2015」でも提案し、欧米・アジアの来場者から関心を集めた。