素材メーカー編/児童の安心・快適をサポート
2016年02月18日 (木曜日)
〈ニッケ/“制服の価値”発信/ウール混の上質さ提案〉
ニッケは、小学生服の普及に向けて教育委員会や学校関係者に対して“制服の価値”を発信する。そのために制服採用校の声を直接くみ上げ、その情報を発信することを目指す。また、毛紡績としてウール混素材の上質さを提案し、小学生にもウールの素晴らしさを提供することも目指す。
これまで小学生服の普及を目指してきたニッケ。とくに開設が増加する小中一貫校での小学生服採用に期待を寄せる。1月29日には加盟する小中一貫教育全国連絡協議会の小中一貫教育全国サミットに参加。ブースで全国の学生服情報を発信する冊子を配布するなど啓蒙活動を続けている。
ニッケ衣料繊維事業本部の細田直樹ユニフォーム事業部長は、「実際に小学生服を採用している学校の声を直接に聞き、その効果など情報発信することが大切」と話す。現在、ニッケではナカヒロやアカツキ商事などグループ各社と協力し、全国の学校を回って学生服について生の声を集める活動を続けている。
2015年は950校を回り、16年は2000校以上を訪問する計画だ。このなかで小学生服についても情報を収集・発信する。
また、毛紡績として小学生服にもウール混素材の普及を目指す。ストレッチ性や家庭洗濯に対応した高レベルのウオッシャブル性などを備えた素材を用意している。小学生服分野では合繊素材との競合が激しいが「ウール混ならではの上質感や着心地を小学生服でも提供したい」と話す。
〈東レ/「テクノクリーン」に重点/高視認服の浸透も目指す〉
東レは小学生服向けに防汚加工の「テクノクリーン」に力を入れるとともに、中期的には「ブリアンスター」による高視認性素材の浸透を図る。
テクノクリーンはナノスケール加工によって汚れの落ちやすさを大幅に向上させた。汚れにくさだけでなく、汚れも落ちやすいことから洗濯機のすすぎ時間を短縮、洗剤や水量を削減できる。一方、ブリアンスターは高視認作業服向けでスタートしたが、中期的には小学生服でも一つのアイテムになると見通し、地道な提案を行う。
武田一光機能製品事業部長によると、2015年度の学生服地販売は売り上げ、利益とも前年実績をクリアできる見通し。後半にやや失速したものの、前半は定番生地の備蓄が順調に推移した。生地値上げも浸透し、採算も改善したことも寄与した。
素材的には別注向けにポリエステル長繊維・ウール複合素材「トレラーナ」やトリコットが好調に推移した。
トレラーナはウール混でありながら、15%以上のストレッチ性を持つ点が高評価を得た。他社にまねできない重点素材として力を入れる。
トリコットもブレザー向けを中心に採用が活発化している。17年春入学商戦に向けては定番生地の備蓄の動きによるものの、新商品を投入していきながら、ウール100%、ウール高率混市場へと攻勢を掛けていく。
〈シキボウ/シャツ地からニットまで/「健康快服」シリーズも用意〉
シキボウは小学生服向けにシャツ地のほか、通学用ポロシャツを製造販売する。得意の機能素材も清潔や安全に焦点を当てた素材や加工を多数ラインアップすることから、こうした独自性のある商品を小学生服分野にも導入したいとの考えだ。
シャツ地を元々得意とし、中学・高校向け学販シャツで豊富な実績を持つ同社だが、カットソーも得意とする。このため小学生服でニーズの高い通学用ポロシャツの提案にも取り組む。
また、学販用途に向けて機能加工・素材を「シキボウ健康快服」シリーズとして打ち出しており、抗菌や抗ウイルスなど様々な機能素材をラインアップした。こうした商品を小学生服にも導入したいと考える。シャツ・ポロシャツだけでなく上履きのアッパー地など周辺商品への提案も進めていく。
そのほか、綿混の高視認染色品「新染組」は、路上作業服用の国際標準(ISO)規格にも適合しており、こうした素材も小学生服に提案することで通学時などの児童の安全性に貢献することを目指している。こちらも靴下など周辺アイテムを含めて普及を進める。
〈三甲テキスタイル/柄物に強み発揮/戦略素材の加発も健闘〉
三甲テキスタイルは、前身であるカネボウ時代から得意とする先染め柄物も小学生服に提案する。小学生服に向けた新たな戦略素材の開発にも取り組むことを検討する。
同社は、カネボウ時代から名門私立小学校向け小学生服地の販売で実績を持つ。現在でも安定した受注を確保しており、ウール100%品などウール高混率品も珍しくない。
一方、全国的に公立小中一貫校設立の動きが続いているが、こうした市場に対して比較的価格競争力を持つ素材をどうやって提供するかが大きな課題となる。
このため公立小学校でも採用しやすい価格帯の小学生服向け戦略素材の開発検討する。
小学生服に求められるイージーケア性やウオッシャブル性、ストレッチ性などに加え、プラスαの機能で差別化する。
無地だけでなく同社が得意とする柄物にも取り組む。柄物はウール混の上質感・品位が生かせることに加え、小ロット生産が必要なことから、毛紡績のテキスタイル事業としての優位性を発揮できることを強みとする。




