東レ、豊田通商と/炭素繊維をリサイクル/省エネ技術確立へ取り組み
2016年02月23日 (火曜日)
東レは豊田通商と共同で、炭素繊維をリサイクルする取り組みを始める。炭素繊維複合材料から炭素繊維を回収するリサイクル技術で、消費燃料を大幅に低減する技術の実証を進めるとともに、リサイクル炭素繊維の用途開発も進めて行く。
両社は、国立研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に、「革新省エネルギー熱分解法による高効率リサイクル炭素繊維製造技術の開発」を提案し、これが採択された。
炭素繊維のリサイクルには、炭素繊維複合材料のマトリックス樹脂を加熱、分解して取り出す熱分解法が用いられるが、両社の提案は、多くのエネルギーを消費するこの熱分解工程で、マトリックス樹脂の可燃性分解ガスを燃料にすることで消費燃料の大幅低減を目指すものだ。
NEDOでの採択を受け今後は、豊田通商の100%子会社である豊田ケミカルエンジニアリングの半田工場内にパイロット設備を建設、将来的な事業化を念頭に省エネのリサイクル炭素繊維製造技術の実証と用途開発を推進する。
軽量化効果によるCO2排出削減に貢献する炭素繊維は、航空機や自動車などで需要が拡大する一方で、リサイクルに対する市場からの要請が高まっている。