帝人/プリウスに「V―Lap」/林テレンプと共同開発
2016年03月02日 (水曜日)
帝人は1日、垂直不織布「V―Lap」を使用した防音材が、トヨタ自動車が昨年12月に発売した新型「プリウス」のフロア用に採用されたと発表した。この防音材は自動車内装材などの専門商社、林テレンプ(名古屋市中区)と共同開発したもので、林テレンプが「V―Wave」のブランドで展開する。
V―Waveは従来の防音材の約2分の1の重量で、同等の性能を持つ。再生ポリエステル繊維を原料とする環境配慮型である点も評価され、採用に至ったという。
両社はプリウスへの採用を契機に、連携を強化しながらフロアだけでなく、天井やドアなどへの採用拡大を目指す。
V―Lapは繊維が垂直方向に並ぶ不織布で、軽量性、吸音性、易成形性などが特徴。高機能クッション材「エルク」のわたやポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)短繊維「ソロテックス」を使用するタイプもあり、寝具や吸音材、断熱材、天井材などに展開する。
〈揖斐川新工場を正式発表〉
プリウスへの採用に合わせて、帝人がV―Lap、林テレンプがV―Waveの新工場をそれぞれ新設したことも正式発表した。ともに東邦テナックスの揖斐川事業所内。V―Lapは帝人の不織布工場として15年1月に生産を開始した。生産能力は月約180トン。設備投資額は3億円。また、V―Waveへの成型加工は林テレンプ大垣工場として15年11月に生産を始めた。従業員数はそれぞれ約20人。
帝人は07年にV―Lapを事業化。同社がニッケの短繊維不織布製造子会社、アンビック(兵庫県姫路市)の加古川工場に設備を貸与し、生産を委託する体制を取っていたが、揖斐川工場はV―Lap自社工場となる。
現在、加古川の生産設備もフル稼働していることから、将来的には加古川は寝具向け、揖斐川は吸音材向けに特化する方向で、また揖斐川は吸音材の需要増に対応して増設も検討するとしている。