帝人フロンティア/特徴ある原糸で貢献/産地の出口戦略でも協業

2016年03月07日 (月曜日)

 帝人フロンティアの日光信二社長は3日、「帝人グループ素材説明・商談会」の分科会として福井市内で開いた「17春夏レディースファッションセミナー」のあと会見し、北陸産地との取り組みについて「『ソロテックス』をはじめとした特徴のある原糸投入や輸出販売を通じて、テキスタイル開発に貢献したい」と述べた。

 同社では、かさ高性に特徴のある織・編み物「デルタ」などがけん引し、産地への機能糸を中心とする原糸投入量は現在月間2200~2300トンに拡大、2016年度はさらに5~10%の伸びを想定している。ソロテックスも15年度で年間1500トンに増え、16年度は2000トンを計画する。

 日光社長は現在のファッション素材の市場トレンドが「天然繊維の風合いを持ちながら何らかの機能性を併せ持つ素材に向かっている」と分析、デルタ、ソロテックス両シリーズの進化版の開発を通じて、北陸産地の可能性を広げたいとしている。

 また、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)締結への動きをとらえ、グローバルな展開をさらに推進し、「産地の出口戦略へ貢献したい」と強調した。具体的には、産地企業などとの協業を通じてベトナムでのテキスタイル生産などを検討していく。

〈メキシコに現法設立〉

 車両資材の分野では、北米市場での販売拡大を狙いに、「帝人フロンティア・メキシコ」を設立する。現在、メキシコ政府に認可申請中で、同地に生産拠点を置く日系をはじめとした自動車メーカーを対象にカーシート地やゴム資材などを供給する。

 カーシート地は現地生産やアジア生産を想定する。軌道に乗れば、カリブ海地域での衣料縫製も検討、テキスタイル販売の出口戦略を強化していく。

〈セミナーに150人〉

 帝人フロンティアが3日、福井市の繊協ビルで開いた「17春夏レディースファッションセミナー」には同社の北陸・新潟産地取引先56社、約150人が参加した。繊維デザイン会社、ジャンヌマリーの大倉紀子代表の解説に参加者は熱心に耳を傾けた。