「インターテキスタイル上海」開幕/過去最大規模で開催/日本館、初日から盛況

2016年03月17日 (木曜日)

 世界最大級の服地・副資材見本市「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2016春」が16日、中国・上海市の国家会展センター〈上海〉で開幕した。日本企業は、日本ファッション・ウィーク推進機構が運営する「ジャパンパビリオン」を中心に出展し、内販拡大に向け、製品やサービスをアピールしている。会期は18日まで。 (上海支局)

 今回展も出展者数3000社強、出展面積15・6万平方メートルと過去最大規模となった。ホームテキスタイル展「インターテキスタイル上海ホームテキスタイルズ春」、アパレル展「中国国際服装服飾博覧会(CHIC)」、糸・わた展「ヤーンエキスポ」、ニット展「PHバリュー」の5展示会での合同開催となり、4展示会合同だった昨春展から来場者がさらに増加することが見込まれる。初日午前中は天候にも恵まれ、多くの来場者でにぎわっている。

 アパレルファブリック展の「海外館」「デニム生地」「機能性・スポーツ生地」など9ゾーンのうち、最大となった婦人服地ゾーンには、中国ローカル企業を中心に1100社が出展している。今回展の見どころの一つ、デニムゾーンには、ローカル大手デニム生地メーカーの北江紡織〈中国〉や黒牡丹〈集団〉のほか、トルコやインドなどの企業90社がストレッチなどの機能デニムを訴求している。

 日本企業は、ジャパンパビリオンに20社が出展しているほか、現地法人として同パビリオン以外にブースを構えるところもある。

 ジャパンパビリオンに出展した柴屋は、約10年ぶりのインターテキスタイル上海への出展となった。日本製のメンズ向けボトム素材やシャツ地を強みとしており、近年中国内販を拡大している。今回展では中国では生産が難しい高次加工の生地をアピールしている。奥野寿一社長は、「中国内販の顧客開拓はもちろんだが、欧米系顧客との商談にも期待している」と話した。

 ジャパンパビリオンのなかで最大規模のブースを構えるサンウェルは、商品とともにストックサービスなどの対応力の訴求に余念がない。紳士・婦人服地の春夏素材を展示するとともに、全商品のサンプルブックも持ち込んだ。国際販売事業部の川端博士課長は「初日午前中からリピーターの顧客が来ている」と手応えを示す。

 コッカは日本独自の風合い加工を施したプリント生地をアピール。昨春より、天然素材の日本製プリント生地の内販が好調に推移している。海外事業部の前車進一部長は「(今回展を)内販をさらに伸ばしていくきっかけにしたい」と話す。

 帝人フロンティアグループで長繊維製織、染色加工を手掛ける南通帝人は、機能性・スポーツ生地コーナーに出展し、撥水糸使いのニット商品やアウトドア向けラミネート加工品などを訴求している。