繊維ニュース

カケンテストセンターのアジア戦略/中国での試験設備増強/ベトナムはさらに強化

2016年03月18日 (金曜日)

 カケンテストセンター(カケン)は、中国の試験設備の増強、好調なベトナムのさらなる強化、香港検査所のような非衣料分野の海外展開を進めていく。

 カケンは中国では、上海、南通、青島、大連、寧波、無錫に拠点を設ける。上海、青島、無錫では「機能性試験機を増やしており、これは来年度も継続する。現地での試験対応が求められているため」と言う。

 特定芳香族アミンの試験も昨年11月くらいから急増している。現地の検験局との連携を含めて対応する。「小売りや商社からの問い合わせも多く、海外だけでなく国内でも試験機の増設を予定」している。

 カケンは今年1月、日本文化用品安全試験所(ブンカケン)と業務協力契約を結んだ。ブンカケンは日用生活品の安全性試験、化学分析などの最大手。小売業のライフスタイル提案が進むなかで両者の広範な対応力を生かして、顧客の品質管理業務の効率化など利便性の向上を図ることが狙いだ。例えば、縫いぐるみの玩具としての安全性はブンカケンで行うが、生地の染色堅ろう度はカケンが試験するといったケースもある。顧客側にとって、ワンストップで試験ができる利便性がある。

 ブンカケンには香港事業所があり、厚労省の食品衛生法に基づく外国公的検査機関に登録され、従来からのST(玩具安全)検査と同時に食品衛生法の試験証明書が発行できる。カケンにも香港検査所があり、香港ではすでに両者は業務協力関係を築く。カケンの香港検査所は雑貨試験も行い、傘用の降雨試験機も導入した。

 現在、試験数が最も伸びているのがベトナム。2005年にビューロベリタスとの提携で、ホーチミンに開設した。TPPでも注目されるベトナムは、現地の素材調達が進み、試験依頼が増えた。カンボジアのビューロベリタス経由で、カンボジア国内の試験依頼にも対応する。「来年度は駐在員を増員する」予定。中国企業がベトナムに移転してくるケースも多い。

 提携先のKOTITIは13年、バングラデシュ・ダッカにKOTITIバングラデシュを開設した。有害物質の分析試験や玩具類の試験などを行う。提携するKOTITI日本チームが(日本語対応可)日本向け試験を代行しており、依頼は増加傾向にある。

〈カケンベトナム試験室/個別セミナー、インハウスラボなど/サポートメニュー拡充〉

 カケンテストセンターのベトナム拠点、カケンベトナム試験室では周辺国を含めた縫製シフト、現地の川上・川中産業の発展に応じてサービスを拡充している。

 ベトナム試験室はフランスの第三者検査・認証機関、ビューロベリタス(BV)社のベトナム拠点BVCPSベトナムと業務提携しており、日本と同様の試験ができる設備で同水準のサービスを提供できる。染色堅ろう度試験や物性試験、繊維鑑別試験、安全性試験など様々な依頼に対応する。

 カンボジアからの依頼をBV社の物流を活用して送料無料で受け、報告書も届けるピックアップサービス、シフト制による午後9時までの営業で午後4時まで当日の受け付けになる利便性も強みだ。ベトナム、カンボジア全土の工場、検品場への出張検品にも対応しており、この際に取得する現地情報の取得も重要な機能となる。

 池田翔太郎室長によると、4年前に比べ「試験依頼数は3~4倍になっており、今年も前年に比べ50%は増えている」。染色堅ろう度や物性を調べる生地の試験が増え、以前は2~3割だった生地試験の比率が「半分くらいの割合になっている」という。ラベル、織りネームなど副資材関連やスポーツウエア向け素材の問い合わせも急増しているなど、川上・川中産業が発達する状況を指摘する。

 サービス拡充はこうした動きに対応するもので、ベトナムで素材開発を担当する人員などに向けて、個別に行うセミナーを開始した。各社の納入先に応じた試験とその内容・基準に関するセミナーを同試験室の見学プログラムを含めて行い、半年前ほどに開始して以後「1月には4件ほど実施し、週1回のペースで行っている」。

 ホーチミン近郊の生地工場に出向いて、工場で行われている試験方法のチェックやアドバイスする「インハウスラボ」の取り組みもスタートした。

〈検品のカケン/カンボジア順調スタート〉

 カケンテストセンターの検品会社カケンによると、国内の衣料消費が伸び悩む影響を受け、海外検品は「ロット数の減少」傾向があるようだ。コーディガンなど中間アイテムを除いてヒット商品が少なく、不特定多数に向けた展開も減っている。

 16春夏の仕掛りも従来なら9~10月であるが、今シーズンは遅れた。このため、ロットが大きく、リードタイムの長いインドネシアから中国生産に戻るアパレルもあった。

 こうしたなかで、カケンの中国8拠点は人手不足が課題となっている。一方、昨年12月にはカンボジア検品センターをプノンペンで正式オープンした。衣料だけでなく、雑貨にも対応できるとし、順調なスタートを切っている。ダッカのバングラデシュ検品センターも衣料品のほか、要望があれば雑貨も扱う。新規顧客開拓に注力する。

 内外の作業現場の様子をリアルタイムで把握するVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)システムも構築した。「バングラデシュはインフラの問題で通じにくいが、インドネシアとカンボジアは工場内の作業が手順通りか確認できる」と言う。

 また、今年は工程数の見直しにも着手。「商品別に特徴を見て、無駄を省いた的確な検品を行っていく。それに伴う管理職の教育も進める。工場内の設備や備品の入れ替えも進めている」